――何時までも鮮明で、あの時の事を忘れられない。
あの時俺に伝えたかった言葉は何なんだ?
なぁ、。教えてくれ・・・――


2『記 憶』


イーストシティのメインストリートを歩く、エドとロイ。ロイが街の視察に行くと言ったので、エドも付いて行く事にした。


「鋼のが私と歩くなんて珍しいな。」


「俺にも用があるんだよ。」


とデートか?今日は非番だからな。」


口の端を上げ、笑顔を作るロイ。だが、その笑顔には何か嫌なものがあった。


「大佐って・・・やっぱりシスコンだな・・・・」


頭痛を感じたのか、エドは頭を押さえた。


「ん?あれは・・・」


ロイが目の前の交差点でキョロキョロとする女性を見つけた。


「あれ、じゃん。おーい!!」


エドはを見つけ、彼女に解かるように大きく手を振った。彼女も気付いたのか、大きく手を振って何か叫んでいる。


「何言ってんだろう?聞こえねぇや。」


彼等の前に無数の車が行き来している為、彼女の言葉を聞くことが出来なかった。
突如甲高い音が当たりに響いた。そして、ガシャンと何かぶつかる音。甲高い音は、車の急ブレーキの音だった。そして、車がぶつかった所にはが居た。
エドは目の前で起きている事が理解できなかった。隣りに居るロイも。


!!」


彼女の名を呼び目の前の道路を渡った。その後にロイも続く。
血塗れで倒れる彼女をエドは抱き上げた。


!おい!しっかりしろよ!!」


彼はの身体を揺すった。彼女の口が少しずつ開かれる。だが、何も聞こえなかった。
何も出来ず、只立ち尽くすだけのロイ。
は最期、笑顔でエドを見、彼女の鼓動はそこで終わりを告げた。




――は何を俺に言いたかったのだろう・・・?
  俺は今でも、お前の残した言葉を捜してる・・・――





FIN