3『ずっとそばにいて』
ポカポカ陽気の午後。屋上で一人の女性が昼寝をしている。そんな彼女を起こしに来た一人の男性。
「少佐、起きてください。」
肩を揺さぶったが起きる気配無し。
「・・・襲うぞ。」
そんな言葉でガバット起き上がった。
「冗談だから安心しろ。」
彼女の頭をぽんぽんと撫でる(?)男性。起こしに来た男性はの恋人、ジャン・ハボックだった。
「ジャン〜〜〜・・・」
頬を膨らます。そんな彼女を見て、ハボックは苦笑した。
「はいはい。悪かったって。」
両手を上げ、降参のポーズ。その隙に、はハボックに抱き付いた。
「・・・?」
「暫く会えなかったから寂しかった・・・」
人一倍寂しがり屋の。同じ東方司令部でも、部署が違う為中々会う事が出来ない。
「悪かったって。今日は定時に上がれそうだから、久しぶりにデートでもしようぜ。」
「うん!!」
ハボックの言葉に満面の笑みになる。だが、一向に離れる気配無し。
「もうそろそろ仕事に戻った方が良いんじゃないんスか?少佐。」
「少しぐらい平気。優秀な部下達が頑張ってくれてるから。」
「サボりかよ・・・」
はロイ以上に人使いが荒い。
「どーせ、軍部内に入ったら階級で呼ばなくちゃいけないんだから・・・」
この二人は回りに気付かれないように付き合っているのだ。特ににはファンが沢山居る。男女問わず。
凛とした眼、セミロングの赤い髪にバンダナ、そして咥え煙草。見た目男。中身女というギャップに惚れる奴等が居るのだ。ハボックに被害が来ない為に、なるべく軍部内では上司と部下として振舞っている。
「だから、もう少しだけこうさせて・・・」
ハボックの胸に顔を埋める。そんな彼女に負けたのか、ハボックは溜め息を付きながらの腰に手を回した。
「少しだけだからな。」
彼女からの返答が無い。不審に思い、顔を覗き込んでみると既に寝息を立てていた。
「マジですか・・・ι」
そんな彼女を見れるのは自分だけと優越感に浸りながら、を強めに抱きしめた。
「今夜は覚悟しとけよ。。」
黒い笑みを浮べながら彼女の頬にキスをした。
FIN
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