「少尉。」
ロイが呼んだのも気付かず。彼女の机の上には、山のように詰まれた仕事。
「少尉!!」
「え!あ、はい。」
大声で呼ばれ、ようやく呼ばれているのに気付く。
「どうしたんだ?仕事中にボーっとするなんて君らしくない。」
「ごめんなさい・・・」
俯いたに何か気付いたのか、リザが彼女の額に手を当てた。
「ホークアイ中尉?」
リザの行動に少し驚く。リザは彼女の額から手を離し一言。
「今日は帰りなさい。」
言い終わると、リザはを強制的に帰らせた。
「中尉・・・」
が帰った後、リザに話し掛けたのはハボック少尉だった。
「彼奴・・・具合でも悪かったんスか?」
「えぇ。少し熱があったから・・・酷くならない内に帰らせたの。」
恋人であるハボックが気付かず、親友と呼べるリザの方がの事を解かっていたのは、流石に彼もショックだった。
「少尉。貴方も帰ったらどうですか?」
リザの突然の申し出に目を丸くした。
「でも、仕事が・・・」
「こんな状態じゃ仕事にならないだろう・・・・」
リザとハボックの会話に割り込んできたのは、ロイだった。
「早く彼女の所にでも行って来い。後は私達が何とかする。」
「ありがとうございます!」
そう言うと、荷物を持ち、執務室を飛び出すように出て行った。
一方、家に着いたは・・・
「38℃・・・完璧風邪ね・・・」
ダルイ身体を引き摺りながら、ベットに潜り込んだ。
「中尉が早く帰らせてくれて良かった・・・」
そう、言うと早くも寝息を立てた。
数時間後、目を覚ましたの額に、濡れタオルが置いてあった。
「誰か来たのかな・・・?」
もぞもぞと起き上がる。ガチャリとドアが開いた。
「お、起きたか。」
「ジャン!何で?仕事は?」
「ん、中尉と大佐が帰れって言ったから。」
ハボックは、持っていたお粥をに差し出した。
「ありがとう。」
お粥を受け取り、近くにあるテーブルに乗せた。が顔を上げる前にハボックは額に手を当てた。
「熱は下がったみたいだな。よかった。」
微笑みながら、ベッド脇に腰を降ろすハボック。
「ごめんね・・・心配かけて・・・」
俯きながら彼女は言った。
「気にするなって。早く良くなれよ。」
ハボックは彼女の頭を撫でた。それで安心したのか、彼女の顔にも笑顔が戻った。
「早く食べないとお粥冷めちまうぞ。」
「うん。」
お粥を半分くらい食べたは満腹になったのか、手に持っていたレンゲを置いた。
「んじゃ、薬飲んで寝な。俺は此処に居るから。」
「ありがとう。ジャン。」
ベッドに横になりながら、ハボックに言葉を送った。
「あんま無理すんなよ?」
「解かってます。おやすみなさい。」
「おやすみ。」
静かに寝息を立てるに、そっと口付けを送り、彼も眠りについた。
翌日、の風邪がうつり、休むハボックと、看病の為に休む彼女であった。東方司令部は二人分の仕事に追われていたとか・・・。
FIN
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