何時ものように東方司令部で働く。
何時ものように慌しい(?)東方司令部。
その訳はこの人の何時もの日課。
「また大佐が居なくなった〜〜〜!!」
何時もの様にハボックとリザがロイを探しに行く。
「少尉…中尉…
私が大佐を探しに行く。」
何時もと違ったのは、が自らロイを探しに行くと言った事だ。
「でも…」
「暫く席を外す。
その間頼んだぞ。ホークアイ中尉。」
「…はい。」
リザの声を聞くと、は執務室を出て行った。
「やっぱり…此処に居たんですか。大佐。」
が真っ先に向かった所は司令部の屋上。
案の定、ロイは見つかりにくい場所で昼寝をしていた。
「が探しにくるなんて珍しいな。」
「たまにはいいでしょう?
こうして話すのも。」
そう言ってはロイの横に腰を下ろした。
が座るのを確認すると、ロイは起き上がった。
「…お前もサボりか?」
「貴方と一緒にしないでください。」
厳しい顔つきのまま、は言った。
「今は兄妹水入らずだ。口調と顔つきを戻せ。
今は仕事じゃない。」
仕事中、大人顔負けの行動を取る。
一歩司令部を出れば、年相応の行動を取る。
「此処は司令部です。それに今は仕事中…」
「私が良いと言ったら良いんだ。上司命令だ。」
「…職権乱用。でも、まいっか。」
「で、何かあったのか?」
が探しに来ると言う事はよっぽどのことがあったのだろう。
そう心配するロイ。
「いや…兄貴に話しとこうと思ってさ…
俺、エド達と旅に出る。」
「そうか…」
「兄貴が俺の事心配するのはわかるんだ。
でも…」
ロイは何も言わず立ち上がった。
「兄貴も大事だよ。もちろん。だってたった一人の家族なんだもん。
でも…今はエドの方が…」
「私も…妹離れしなくてはな…」
何時までも過保護に守っている訳には行かない。
ロイはそう感じた。
「兄貴には感謝してる。俺、国家錬金術師の資格取った事後悔してない。
だって、あの時の俺に希望を…生きる意味を教えてくれただろう?だからさ…」
「…軍の仕事はどうするつもりだ?」
「出来るなら…兄貴のサポートもしていきたい。」
「…」
の言葉に暫し黙るロイ。
「…いや、マスタング少佐。」
「何?」
が立っているロイの顔を見上げた。
「君に任務を与えよう。鋼の錬金術師、エドワード・エルリック。それと弟のアルフォンス・エルリック。
両者の護衛を君に命ずる。」
「兄貴…それって…」
「お前の分の仕事はどうにかする。行って来い。」
「…ありがとうございます。マスタング大佐。」
は笑顔でロイに敬礼した。
「だが、辛くなったら帰って来い。お前の帰る場所は…」
「分かってる。兄貴の居る所が俺の帰る場所。
たまには顔見せに来るからさ!!」
「そうだな。」
数日後のエドとの約束。
それは守られ、は護衛という名で旅立った。
Fin
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