――エド・・・迷った時は私が傍に居るからね。――


15『帰りたい場所』


何時だろう・・・にそんな事を言われた。
俺が落ち込んで居ると、何時もアイツが慰めてくれる。前にもあった・・・
あれはと付き合ったばかりの話だ。




俺は、一人暮らしを始めたばかりのの家に寄った。


「エド。お帰り・・・じゃ変かな?」


玄関の前で立っていた俺を、照れた顔で向え入れてくれた


「いや・・・ただいま。。」


数ヶ月会えないだけで、こんなにも胸の奥が苦しくなる。


「今日はね、エドが帰ってくるから腕によりをかけて美味しいシチュー作ったの。」


「マジ!!早く食いてぇ・・・」


賢者の石の情報が何も掴めず、俺は落ち込んでいたが、の優しさにそんなのは消えた。
リビングに付き、俺とは食事を始めた。俺が持ってくる土産話を楽しそうに聞く


「何時か、私もエドと旅したいなぁ・・・」


思いも寄らない言葉に俺は驚いた。


「駄目だ。」


「冗談だよ。本気にしないでよ・・・」


そう言ったの顔は少し悲しげだった。俺もを連れて旅をしたいと思っている。でも、あまりにも危険な旅。まだ、と旅をするのは俺が力不足だった。


・・・」


「何?エド?」


「俺は、に何時も『お帰り』って言って貰いたいんだ。だから・・・」


そんな俺の言葉に驚いたような顔をした。すぐに何時もの太陽のような笑顔に変わった。


「解かった。私は何時でも『お帰り』って言ってあげる。だからエド・・・」


少し間を空けた。その顔は少し真剣さを増していた。


「迷った時は私が傍に居るからね。エドは独りじゃ無いんだから・・・全て自分の中に溜め込まないで。」


正直驚いた。は俺の心を読み取って居るんじゃないかって位に。それて同時に、こいつの言葉に救われた。


・・・」


俺はを抱き締めた。今までの不安を吹き飛ばす位に・・・


「エド・・・?」


「ありがとう・・・・・・」


の方に手を置き、俺は口付けた。優しいキスを彼女に送った。


「エド・・・これからもずっと一緒に居ようね。」


「あぁ・・・勿論。」


俺の帰れる場所は、の傍・・・それが解かった。だから、俺が戻ってきた時は笑顔で『お帰り』と出迎えてくれ・・・




FIN