・マスタング・・・二十歳という若さで、中将まで上り詰めた国家錬金術師。そして、ロイの妹。そんな彼女に恋をしたハボック。
「将軍。今日はもう、お帰りになられたら・・・」
「私は大丈夫だ。心配をかけてすまないね。」
此処一週間、司令部に篭りっきりの。日中夜問わず、仕事をする彼女を労わり、リザは自宅に帰る事を進めたが、彼女に断られた。
「中尉。君はもう帰っても構わない。後は私とハボック少尉でどうにかする。」
「ですが・・・」
「女性が夜遅くに出歩くのは危険だ。今日は家に帰ってゆっくりしたまえ。」
「解かりました・・・では、お先に失礼します。」
リザは渋々帰り支度を始めた。
「ハボック少尉。」
「何スか?」
「将軍に温かいコーヒーと、仮眠を取らせてあげて・・・」
「解かりました。」
そう言い残すと、リザは執務室から出て行った。
彼女に言われた通りに温かいコーヒーを入れ、に差し出した。
「少しくらいは休憩したほうが良いんじゃ・・・」
「大丈夫だ・・・全く・・・忙しい時期に大佐は南方に出向いて・・・大総統も少しは考えてほしいな・・・」
上層部に提出する書類、予算の報告を東方で一番地位の高いがやっているのだ。
ロイと、大総統の話が出て、ハボックの眉間に少しだけ皺が寄った。
「一週間、まとも寝てないんすから・・・少しは休んでください。」
「私は平気だ。さっさと片付けなければ大総統の『ありがたいお話』を聞かされるはめになる・・・」
小一時間聞かされる、大総統の話はたまったものじゃないと、は溜め息を付きながら言った。
「でも・・・」
「・・・・解かった。一時間、仮眠を取ってくる。時間になったら起こしてくれ・・・」
「一時間とは言わず、もっと・・・」
「一時間だ。良いな。」
「・・・・はい。」
そう言うとは専用の仮眠室へと向った。
「ふぅ・・・・」
仮眠室へと入り、ベットに身を沈めた。そして間も無く、睡魔に襲われることとなった。
一方、執務室に一人っきりとなったハボックは。
「将軍は・・・俺の事眼中にないのか・・・」
兄であるロイと、大総統に少し嫉妬を覚えた。
「出来るなら・・・俺のモノにしたい・・・」
(例え・・・傷付ける事になろうとも・・・)
ハボックの中にある欲望の塊が、段々と大きさを増していった。
一時間後、ハボックはを起こすため、仮眠室へと向った。
「将軍、起きてください。時間になりましたよ。」
「ん〜〜〜・・・マース・・・もう少しだけ・・・寝かせて・・・くれ・・・」
その言葉で、ハボックの中の何かが切れる音がした。
「・・・」
ハボックは寝ぼけているに多い被さるように抱き付いた。
「な・・・!!!ハボック少尉!!は、離れろ!!」
「嫌だ。」
そう言いながらハボックはの服に手をかけた。
「止めろ!!ハボック!!」
抵抗するの手を頭の上に一纏めにした。
「あんまり抵抗しないで下さい。手荒なマネはしたくないんすよ・・・」
軍服についている紐を外し、の手を縛った。
「こんな事が許されると思っているのか!!」
「煩い。」
「ふ・・・」
騒ぐの唇に自身の唇を当て、彼女の口を塞いだ。口内に舌を進入させた。
「う・・ふぅ・・・」
少し漏れる声が、更にハボックの理性を崩していった。唇を外し、彼はの顔を見た。
「ハ・・・ボック・・・」
顔を少し赤らめ、潤んだ瞳でハボックを見つめた。
「そんなに良かったか?俺のキスは?」
黒い笑みを浮べたまま、ハボックは手を服の中に入れた。
「ひゃ!!」
「ここ・・・こんなに立ってる。」
彼女の膨らみの頂きを指で転がした。
「や・・・めろ・・・」
「まだ抵抗するのか?」
首筋に吸い付き、自分のものだと言う証をつけながら、服を脱がし始めた。
「や・・・」
彼女の抵抗も虚しく、徐々に剥がされていく軍服。
「誰にも渡したくない・・・」
「ハボック・・・!!やめろ・・・!!」
の声を無視し、胸に顔を埋めた。片方の膨らみを口に含み、舌で頂きを刺激した。
「ふ・・・・ん・・・」
声を出さないよう、は自分の下唇を噛み締めた。そんな彼女の行動を見つつ、ハボックは軍服の下に手を伸ばした。
「止めろ!!これ以上は・・・・!!」
「嫌だ。」
一気に軍服と下着を取り去る。危険を感じたのか、彼女は足をばたつかせ、抵抗を始めた。
「本当に・・・これ以上は止めてくれ!!」
彼女の叫びを無視し、ばたつかせる両足を掴み、思いっきり広げた。当たり前の如く、そこは全く濡れていなかった。
「ハボック少尉・・・もう・・・お願いだから・・・・」
は、涙を流しながらハボックに訴えた。尚も彼女の言葉を無視し、昂ぶった己をの中へ押し込んだ。
「いっ・・・!!」
「きつ・・・」
ハボックは自身を動かし始めた。
「う・・・あ・・・」
の声が段々と甘い声に変わっていったのと同時に、最奥から流れる蜜で、自身を滑らかに動かせるようになった。
「気持ちよくなってきたか?」
「あ・・・や・・・ん!!」
淫らな音と声が室内に響き渡った。
「少・・・尉・・・もう・・・」
彼女の理性が崩れ、縋るような瞳でハボックを見つめた。その様子を見た彼は、旋律を早めた。
「あ・・・ん・・・はぁっ・・・!!」
「・・・好きだ・・・」
「ハボ・・・ク・・・!!」
「っ!!!」
の達した時の締め付けにより、ハボックも熱を彼女の最奥に放った。
「ハボック少尉・・・覚悟は出来ているのか・・・?」
事情後、上半身だけを起こし、は言った。
「・・・はい・・・」
「何故、私にあんな事をした。簡潔に答えてもらおうか?」
「・・・好き・・・だから・・・です・・・」
途切れ途切れに答えるハボック。そんな彼の行動に大きな溜め息を吐いた。
「普通はやる前に告白するものではないのか?」
「・・・・」
ハボックは俯き、黙ってしまった。
「ハボック。」
ハボックの名を呼び、顔を上げた瞬間、彼の胸倉を掴んだ。
「っ!!」
「覚悟は・・・出来ているのだろう?」
睨み付けるような目でハボックの瞳を見る。
「殴るなり、蹴るなりしてください・・・それで貴女の気が収まるなら・・・」
「私を見縊るな。そんな事はしない。」
「は?」
胸倉を掴んでいた手を引っ張り、顔を近づけた。次の瞬間、は触れるだけのキスを送った。
「し・・・将軍・・・?」
「全く・・・私の気持ちも聞いてもらいたいものだな・・・」
手を離し、頭を抱える。
「それって・・・」
「私も君の事が好きだ。と言ったら信じて貰えるか?」
「でも・・・俺将軍に酷い事を・・・」
「順序は違えど、気持ちが伝わればそれでいいのではないのか?」
微笑みながらハボックを見つめる。
「告白のし直しをしたければ、ちゃんと私に気持ちを伝えてくれ。ハボック。」
「貴女の事が好きです。将軍。」
頬を赤らめながらハボックは言った。
「ま、今回は水に流そう。だが、今度こんな事をしたなら・・・容赦はしないぞ。」
「はい。」
「それと、私の事はでいい。ただし、二人きりの時だけな。」
そう言うと、はハボックに抱き付いた。
「・・・愛してる。」
「私もだ。ハボッ・・・いや、ジャンと呼んだ方が良いか・・・」
二人はそのまま抱き合い、睡眠をとった。
翌日、起きた。
「ね・・・寝すぎた・・・」
「おはよう・・・」
「おはよう。ジャン・・・って仕事がぁ!!!」
まだまだ山のように溜まっている仕事を思い出し、急いで服を着る。
「って、貴様!!まだ寝るつもりなのか!!!」
朝の一発と言わんばかりにハボックに鉄拳をお見舞いする。
「全く・・・」
そう言って部屋を出ようとする。扉を開けた瞬間、そこに立って居たのは、
「おはよう♪♪」
焔の大佐だった。(笑)
「兄貴・・・何時帰ってきてたんだ?」
「今戻って来たのだが・・・」
そう言ってロイは仮眠室の中を覗いた。そこには上半身裸のハボックが居た。
「ハボック・・・?」
「あ・・・いや・・・これには訳が・・・」
必死に弁解をしようとする。
「ハボック・・・これはどう言う事か説明してもらおうか?」
人とは思えない形相を浮べ、仕舞いには発火布を手につけ、ハボックへ近付いて行くロイ。
「た・・・大佐・・・ι」
「どう言う事か説明しろ!!ハボック!!」
「私達、付き合いはじめた。以上。」
簡潔に理由を述べた。
「・・・それは本当なのか・・・?相手がハボックでも良いのか?」
「私が選んだ相手にケチをつけないで貰いたい。」
冷めた目でロイを見つめる。
「・・・ハボック・・・後で私の所に来い。いいな?」
「は・・・はい・・・ι」
そう言い残すと、ロイは仮眠室から出て行った。
「こ・・・怖かった・・・」
「何かあったら私に言えばいい。倍返しにしてやる。」
そう言ったの顔は何処か楽しげな物だった。彼女に対しても恐怖感を抱くハボック。
「取り敢えず、私も仕事を終わらせなければ・・・」
「俺も後で手伝うから。」
「期待しないで待っている。」
そう言うとハボックの頬にキスをし、は部屋を出て行った。
「さ、俺もさっさと大佐の所にでも行って来るか・・・ι」
ハボックの怖い一日はまだ、始まったばかり。
FIN
|