強欲の名が聞いて呆れる・・・俺は彼奴の事を求めてる。
数年前に愛した軍人を・・・
グリードは宛ても無く、街の中を歩いていた。
空から降る、雨の粒がグリードを濡らす。
「・・・・・・」
空を見上げ、グリードは呟いた。
ふと、裏路地を見ると女性が数人の男性に囲まれているのを見つけた。
「姉ちゃん、暇なら俺らとイイコトしねぇ?」
「する訳ないでしょう!!さっさとどいてよ!!」
女性がそう言うと、一人の男性が彼女の腕を掴んだ。
「いいじゃねぇかよ。なぁ?」
「っ!!離し・・・」
――ゴン!!
「え?」
「ちょっと手前ぇ等。顔貸せや。」
グリードは女性の腕を掴んでいた男を殴った。
「な・・・何なんだよ!!お前は!!」
「グリードって言えばわかるだろう?」
「ぐ・・・グリードさん!!」
失礼しましたぁ〜〜〜!!と叫び、男共は逃げていった。
「えっと・・・ありがとうございました・・・」
女性はグリードに深々とお辞儀をした。
「グリー・・・ド・・・?」
顔を上げた女性の目が見開かれた。
「・・・か?」
「偶然・・・ね・・・こんな所で会うなんて・・・」
「お前・・・戦争で死んだ筈じゃ・・・」
グリードの言葉には苦笑した。
「表向きはね。でも、実際は研究所に連れて行かれて・・・実験台にされてた・・・」
「実験・・・合成獣のか?」
「うん・・・逃げ出してきた・・・」
彼女がそう言うと、グリードはを担ぎ上げた。
「ぐ・・・グリード?」
「此処で会ったのも何かの縁ってな。」
「ちょっと!!下ろしてよ!!」
グリードの上で暴れるが、失敗に終った。
そのままはアジトに連れていかれた。
「さぁ、。話を聞こうか?」
「聞こうかって・・・私に拒否権は無いんでしょ?」
「ない。」
きっぱりと言い切るグリードに、は溜め息を吐いた。
「さっきも言った通り、私は実験台に使われたの。犬との合成獣。
で、表の世界じゃ住めないから放浪としてた・・・って訳。」
「俺はてっきりお前は死んだものかと・・・」
「勝手に殺さないでよ・・・ι」
呆れ顔の。そんな彼女をグリードは抱き締めた。
「生きててよかった・・・」
「本当、また会えるとは思っても見なかったね。」
「俺の愛した女はお前が最初で最後だからな。」
「グリード・・・」
少しだけ身体を離し、互いに唇を重ねようとした。
「グリードさん・・・場所考えてもらえますか?」
後ろから聞こえた声に二人の動きが止まった。
「別にいいだろう?俺の勝手だ。」
「・・・ι」
「ドルチェット・・・だよね?」
「その声・・・大尉か?」
ドルチェットを見たは彼に近付いた。
「ドルチェット!!久しぶり!!元気だった?」
「え・・・?何で?お前・・・死んだ筈じゃ・・・」
「だから勝手に殺さないでよι
此処に居るって事は・・・ドルチェットも実験台に?」
「まぁな・・・犬と合成された。お前は?」
「うわ、偶然。私も犬なんだ〜〜〜。」
グリードを置いて、盛り上がる二人。
「・・・」
「あ、グリード。ごめんごめん。久しぶりに戦友と会えたからさ〜〜〜。」
「・・・別に気にしねぇけど・・・
これからは毎日一緒に居られるしな。」
彼女に近付き、グリードは頬にキスをした。
「グリード!!」
顔を真っ赤にさせ、グリードを睨む。
「大尉・・・どう言う事だ?」
「で良いよ。もう軍人じゃないし。
っで・・・グリードは私の彼氏・・・なんだよねぇ・・・」
「そうそう。お前でもに手出したら容赦しねぇぞ。」
「出しませんよ・・・ι」
額に汗をかきながらドルチェットは言った。
「ま、これから宜しくね。ドルチェット。」
「もちろん。。」
「、部屋に案内する。付いて来い。」
「あ、ちょっと待ってよ!!グリード!!」
さっさと歩き出すグリードの後を追う。
これからの事を考え、ドルチェットは一人溜め息を付いたとか・・・
FIN
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