「ハボック少尉・・・今日はどうしたのだ?」
ハボックはドアを閉めると、ソファーに腰を降ろした。
「実は・・・中佐に折り入ってお願いがありまして・・・」
「何だ?」
仕事する手を休めずには聞いた。
「俺と・・・デートしてくれませんか?」
――ごん!!
ハボックの言葉に頭を机に打った。
「ちゅ・・・中佐?!」
「いや・・・君は解かってて言っているのか?
私には恋人が・・・」
「ごめんなさい。言葉が直球すぎました。」
そう言うと、の目の前に立った。
「中佐、ダブルデートしてください。」
「は?」
訳が解からないというような表情の。
「いや・・・彼女とデートしたいんですけど・・・大佐に見つかると煩いじゃないですか・・・
だから、お願いします!」
暫しの沈黙。
「中佐・・・?」
「少尉・・・何時彼女が出来たんだ?」
「一ヶ月前に・・・」
「何故私に言わないんだ!?」
凄い勢いで立ち上がる。
「一ヶ月も付き合っていて、デートした事なかったのか!?君は!
そんな男とよく続いているものだ・・・」
次の瞬間、はハボックの手をとった。
「そう言う事なら、早く言えばよかったであろう?
私でよければ何時でも協力するからな!!」
「中佐、ありがとうございます!!
あ、時間は明日の7時ですから。大将も勿論連れてきてくださいね。」
「あぁ。解かった。」
そんなこんなで次の日・・・(ぇ
「ハボック少尉・・・遅いな。」
「そう言うなってエド。」
エドは何時もの服装とは違い、ハイネックの黒のシャツに茶色のコートを羽織っていた。
も、女性らしい格好をしていた。勿論下はズボン。
「あ、ハボック少尉が着たぞ。」
「お待たせしました〜〜〜。」
息を切らしながらハボックは走って来た。
「いや・・・帰る時に大佐に捕まって・・・
なんだ・・・お前もう来てたのか?」
二人の後ろを見ながらハボックは言った。
エドとは首を傾げながら後ろを振向いた。
「中尉!!」
「リザ姉!何で?」
二人が見たのはリザだった。(ぇ
「ちゃん、ごめんなさいね。こんな事に巻き込んで。」
「え・・・もしかしてハボック少尉の彼女って・・・?」
ハボックはリザの横に立ち、腕を回した。
「中尉の事っスよ。」
「「マジで!?」」
声をハモらせて驚く二人。
「あぁ・・・だからかぁ・・・
二人だとデートできないって・・・」
「そう言うことっス。
ホント、協力してくれてありがとうございます。」
そう言って、ハボックはに頭を下げた。
「いや、良いって。
それより、これから何処に行く?」
「何か食べてから何処かに遊びに行かない?」
「それもいいけど・・・買い物とかしてから食べに行くのも・・・」
そう言って悩む女性陣。
「まさか、少尉の彼女が中尉とは・・・」
「思いもよらなかったって表情だな?大将。」
「あたり前だろ?」
こっちもこっちで話し込む。(ぇ
「決まったか?」
女性の話し合いにケリが着いたらしく、買い物を楽しんでから食事をする事になった。
「あ、リザ姉!このアクセ可愛いよ。」
「あら、本当ね。」
デートと言うよりも、女性の買い物と化してしまった。
「やっぱり、こういうデザインだよね〜〜〜。」
「そうね・・・でもこう言うのも良いんじゃない?」
置いてけぼりになった彼氏陣。
エドはの横から顔を出した。
「やっぱりはこれだって。」
手にとったのはクロスのネックレス。
「そうかなぁ・・・?」
「そうだって。」
「リザはやっぱりこれかな?」
ハボックもエドと同じようにネックレスを手にとった。
「ハート・・・?」
「そうそう。こう言う可愛いのも良いんじゃねぇの?」
ラヴラヴモード全開の二組。
買い物を楽しみ、予約していたレストランに向った。
「今日はありがとね。ちゃん、エドワード君。」
「良いって。リザ姉の頼みだもん。」
「頼まれたのはハボック少尉だったけどな。」
運ばれてきた料理を口に頬張りながらエドは言った。
「でも、中佐に頼んで正解だったよ。」
「あ、何で大佐に知られたくねぇんだ?
そりゃ、からかわれるだろうけどさ・・・」
食事をする手を止め、エドは言った。
「だって・・・なぁ・・・」
そう言ってハボックはリザを見た。
「そうね・・・大佐に知られたら、司令部全部に行き渡るものね・・・」
「そう言う事か・・・リザ姉結構人気だからね。」
「ちゃん程ではないわよ?」
「中佐も人気高いからな。男女問わず。」
今度はエドを見るハボック。
「司令部の人間だったら、嫌がらせ受けてたぞ?大将。」
「別に。それぐらい大丈夫だけど。」
少し照れながらエドは水を飲んだ。
「また、機会が会ったらこうしてデートしようね。
リザ姉、ハボック少尉♪」
「でも、せめてプライベートの時は呼び方変えてくれませんか?」
「少尉が敬語止めたらな♪」
和やかなムードでこの日のデートは終った・・・
一週間後・・・
「中佐〜〜。入りますよ〜〜〜。」
「少尉・・・今度はどうした?」
執務室に入るなり、ハボックはの手を掴んだ。
「また、俺とデートしてください。」
「言い方を考えろ!!貴様は!!」
その会話をドアの外で聞いていたロイ。
「ほう・・・私の妹に手を出すとわな・・・ハボック少尉・・・」
「た・・・大佐・・・ι」
発火布を装着したロイがドアの前に立っていた。
「消し炭にしてくれる!!」
「待ってください!!誤解なんです!!」
「問答無用!!」
「兄貴!!落ち着けって!!
少尉がマジで死ぬだろう!!!」
「お前はハボックの肩を持つのか!?」
「違うって!!!」
妙な誤解を招き、ハボックは一回死にそうになったとか・・・
おまけ。
「そういや俺、少尉の事なんて呼べば良いんだ?」
ハボック「そうですね・・・リザが姉なら・・・俺は『ジャン兄』とか・・・?」
「・・・考えておくよ。」
本気では考えたとか・・・
FIN
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