出逢い


メインストリートに面した裏通り。そこに一人の少女が数人の男に囲まれていた。


「なぁ、嬢ちゃん。人の靴踏んどいて謝らないなんてねぇんじゃねぇ?まだ新品なんだぜ?これ。」


「そんな事知らないわよ!貴方達が悪いんでしょ!!」


自分より背の高い男達を睨みつけるような上目使いで見た。その少女の態度に遂に男達もキレた。


「んだと!このガキ!!」


殴られる!!瞬時にそう思った少女は頭を抱え、目を瞑った。だが、痛みは一向に来ない。恐る恐る目を開けて見ると、そこには一人の金髪の少年が少女を守るように立ちふさがってた。


「あのさぁ、女の子に大勢で殴りかかるなんて卑怯じゃねぇか?」


「煩るせぇ!手前ぇは関係ないだろ!!殴られたく無かったら退いてるんだな。チビ!!」


チビという単語に少年の表情が一気に変わった。


「だぁれぇがぁギネス級ミジンコどチビか〜〜〜〜!!!!」


「いや、そこまで言われてないから・・・ι」


キレる少年の後ろでぼそっと突っ込みを入れる少女。キレた少年は回りに取り巻いていた男等と次々となぎ倒してゆく。


(つ・・・強い・・・て言うか、恐い・・・ι)


少女は腰を抜かし、その場に座り込んでしまった。全ての男が倒れ、少年は少女の方を向いた。


「大丈夫か?」


固まっていた少女は何も言わず、只ボーっとしていた。


「おい!」


「あ、えーと・・・」


「怪我無いか?」


座っていた少女に手を差し伸べる少年。少女は少年の手を取り立ち上がった。


「助けてくれて本当にありがとう。私は。貴方は?」


「俺はエドワード。偶然通りかかっただけだから。怪我無いなら良かった。」


笑顔でを見るエド。その笑顔に彼女は思わず顔を赤くした。


「エドワードさん・・・」


「エドで良いよ。んで何?」


「これから少し時間ありますか?お礼をしたしたいんですが・・・」


照れた顔を見られないように下を向きながらは言った。


「あ〜〜・・・これからか・・・ちょっと無理なんだ・・・」


「そうですか・・・」


とても哀しげな表情をするに何か感じ取ったのか、エドは急いで次の言葉を捜した。


「今日は無理だけど、明日なら・・・それじゃ駄目か?」


「え、明日ですか?良いですよ。」


ぱぁっと花が咲いたような笑う。エドの顔が少しだけ赤くなった。


「じゃぁ、明日。何処に待ち合わせにする?」


「え〜〜っと・・・東方司令部の前じゃ・・・駄目ですか?午前中に用事があって・・・」


「ん。解かった。じゃぁ、また明日な。」


そう言うとエドは走り去っていった。残されたも家に帰ろうと、歩き出した。


(エド君か・・・かっこよかったな・・・明日はどうしようかな?)


そんな事を思いながらメインストリートを歩いていった。




翌日、は用事を早めに終らせ、東方司令部の前でエドの事を待った。数分後、東方司令部の中から一人の少年が出てきた。


「ごめん。待った?」


「いえ。私も今着た所だから。さ、行こうか。」


はエドの手を取って歩き出した。その行動にエドの顔は湯でタコのように真っ赤になった。
その日一日、エドとは喫茶店に行ったり、買い物をしたり、公園でのんびりしたりと恋人と過ごすような感じに過ごした。


「今日は付き合ってくれてありがとね。」


公園内にある野原に座りながらはエドに言った。


「いや。俺の方こそ、ありがとう。今日は楽しかった。」


「ねぇ、エド君・・・」


「何?」


「今・・・好きな人とか居るのかな・・・?」


顔を真っ赤にしながら呟いた。エドは目を丸くして彼女を見た。


「・・・もし良かったら・・・私と付き合ってくれないかな?」


「えっと・・・」


言葉に詰まるエド。そんな彼を横目で見る


「駄目なら良いんだ・・・昨日会ったばっかりだし・・・」


の言葉の後、落ち込むように膝を抱えたエド。


「エド君・・・?」


そんなエドの行動に少し不安になりながら、彼の顔を覗き込もうとする


「俺が言おうとしてた台詞、全部取られた・・・」


「え?」


彼は急に顔を上げ、そのまま目の前に居たを抱き締めた。


「俺が今日言おうとした事、全部持ってかれた。昨日、会った時から気になって、夜も眠れなかった。」


「エド君・・・」


もエドの背に手を回し、抱き締めた。


「俺からも言う。俺と付き合ってくれないか?」


「うん。」


エドの腕の中では静かに頷いた。彼の手がの肩に置かれ、鼻先が触れる位置にエドの顔が近付いて来た。唇が触れるまでもう少し・・・


!!」


唇が触れる直前、誰かに名前を叫ばれた。振り向いて見てみるとそこに居るのは・・・


「大佐!!」


東方司令部、焔の大佐。ロイ・マスタングだった。何時もは冷静沈着な彼が血相を変えての元に駆け寄ってくる。


!!鋼のと何をしていたんだ!!」


「何って・・・デートだけど。見れば解かるじゃん。」


さらりと言う。その言葉に更にショックを受けるロイ。


「鋼のなんて私は許さないぞ!!」


「別にお兄ちゃんに許してもらおうなんて思ってないよ!!」


「お兄ちゃん・・・?」


の言葉に混じっていた『お兄ちゃん』と言う単語に違和感を覚えたエド。


「もしかして、と大佐って・・・」


「気安く呼び捨てで呼ばないで貰おうか?鋼の。」


ロイの右手には発火布が装着されていた。


「やめれ、馬鹿兄貴。」


は近くに置いてあった自分のジュースをロイの頭にぶっ掛けた。もちろん、発火布も濡れて、無能当然の大佐。


「エド、ゴメンネ。この人私の兄なの。」


両手を合わせて詫びる。呆然と見ているだけのエド。


・マスタング。正真正銘私の妹だ。」


(似てない!!by,エド)


はい。全てに置いて似ていません。(恐らく。)
付き合う事になったエドと。だが、エドは次の日からロイの焔の餌食になったとか・・・



Happy End?