俺が東方に異動になって、初めて彼奴とあったのが、イーストシティの裏路地だった。そこでは数人の男達に囲まれていた。
『助けなきゃ』俺は衝動的に思い、彼女の元に駆け出していた。次の瞬間。
――ボコ!!ベキ!!グシャ!!
彼女を取り巻いていた男達が次々と倒れていった。そして、彼女は一人の男の胸倉を掴み一言・・・
「もう少し相手を選んだ方がいいよ。」
笑顔で言い、立ち上がった彼女と目が合った。
「えっと・・・・」
俺は戸惑った。それと同時に俺は、彼女に見惚れた。
男どもをなぎ倒す程の力があるとは到底思えない華奢な身体。長く、腰まである綺麗な紅い髪。そして、男を惹き付けるような整った顔。けれどその眼は、眼力だけでも人を怯えさせる程のものだった。
「もしかして助けようとしてくれたの?」
彼女の目は俺を見た途端、優しさを含むものに変わった。
「まぁ・・・そんな感じ・・・」
バツの悪そうに俺は頭を掻いた。
「また何処かで会うかもしれないね・・・」
彼女はそんな言葉を残し、裏路地から出て行った。
「尉・・・ハボック少尉・・・」
遠くから聞こえてくるようなの声・・・
「起きろって言ってるでしょう!!ジャン!!」
「で!!!」
俺の目覚めは、の拳骨から始まる。(ぇ?)
「もうちょっと良い起こし方ないのかよ・・・」
殴られた頭を擦りながら俺は身体を上げた。
「何言ってるの!!もうお昼休み終っちゃうよ!!」
俺が今まで寝ていた所は、東方司令部の屋上。
「早くしないと行っちゃうからね。」
そう言って出口に向うの手を取って、自分のほうに引き寄せた。彼女はそのまま俺の胸にダイブvV
「ジャン・・・?」
不思議そうに見る。この上目使いが可愛い・・・vV
「少しだけ・・・こうさせて・・・」
俺は腕の力を少しだけ強めた。
「もう・・・しょうがないな〜〜〜・・・」
俺の甘えに勝てない。この後は、二人でお昼寝タイム。と、言うよりもが一人だけ寝てしまった。
「中に戻ると上官と部下になるから・・・それまでこうしてような。」
司令部内では階級を呼び合わなくちゃいけない。だから、もう少しだけ恋人の時間を過ごそうな。
FIN
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