――裏路地で蹲ってる女を見つけた。
雨と泥で汚れた少女を、俺は拾った。――


拾い物。


「此処は?」


赤い長髪から覗かせる猫のような耳。そして、尻には尻尾。


「此処は俺のアジト。お前名前は?」


。貴方は?」


「俺はグリード。自己紹介も済んだ所で、お前は何処から逃げ出してきた?」


「中央の研究所。見て解かると思うけど、私は猫との合成獣。成功策であって、失敗作。」


まだ15にも満たない少女は悲しい笑いを浮べた。


「何で研究所になんて居たんだ?」


「元々軍人だから。戦争に狩り出されて、帰ってきたらこの様。」


「・・・お前何歳だ?」


「20歳。」


今まで少女と思っていたから、余計に驚いた。


「20に見えないって?当たり前かぁ・・・小さいし。」


「とりあえず、身体洗え。雨と泥でベタベタだろ?おい、マーテル。」


「何ですか?グリードさん?」


「コイツをシャワールームに案内してやれ。それと服もだな。」


違う部屋から出てきたマーテルにの世話を押し付けた。


「解かりました。」


そう言ってマーテルはを連れて行った。
数十分後、マーテルと一緒に来た。始めは見えなかった白い肌が見えていた。赤い髪もつやを増していた。


「ありがと、マーテルさん。」


「いいって。それじゃ、私はこれで。」


マーテルが出て行った先をずっと見つめる


「おい。」


俺が声を掛けるとは振り向いた。


「何?」


「お前、俺の仲間になる気はあるか?」


「今更?拾って貰ったんだから恩義は返しますよ?グリードさん。」


そう言って微笑んだあいつの顔に、思わず見惚れた。


「なら、これから働いてもらうからな。」


「勿論。何なりとご命令を。」


微笑んだ彼奴は綺麗だと思った。




それから数日が過ぎた。周りの奴等とも打ち解けて、猫のようになついていた。


「あ、グリードさん。」


俺を見つけるとすぐに飛んでくる


「今日は何をすれば良いんですか?」


「今日は特に何もねぇ。ゆっくりしてろ。」


「グリードさんもゆっくりするんですか?」


小首を傾げ俺を見つめる。・・・・可愛い。


「まぁ・・・今日はやる事もねぇしな・・・」


「じゃ、散歩しません?」


「は?」


「夜ですから大丈夫ですよ。それに、一日中部屋の中に居るの嫌なんで・・・駄目ですか?」


少し上目使いに見る。おねだりされて嫌とはいえない・・・ι


「解かった・・・少しだけな。」


「ありがとうございます!!」


やったーと両腕を伸ばし喜ぶ。何だかんだ言っても、まだまだ子供だな。


「ロア、ちょっと出てくる。」


「解かりました。」


俺とは店を出て行った。


「やっぱり外は気持ちいいですね。」


両腕を伸ばし、伸びをする


「おい、あんまりウロチョロするなよ。」


コイツと居るとガキのお守りをしている気分になる。


「迷子になりませんから大丈夫です♪」


そう言いながら辺りを走り回る。走っている姿はまさに猫。


「まったく・・・世話の焼けるガキだな。」


「ム。」


俺の言葉に、頬を膨らませる


「ガキって何ですか!!これでも二十歳なんですよ!!」


「ガキっぽい行動治してから言え。」


何て言いながらも、俺の口の端は上がっていた。


「・・・他の男には取られたくねぇな・・・」


「何か言いました?」


「何でもねぇよ。」


ま、じっくりと責めるか・・・コイツに惚れてる奴が沢山居るからな。何時かは物にしてみせるぜ?


「・・・好きだ何て、今更いえねぇしな・・・」


「グリードさん!!見て見て!!」


ホケーと座っていると頭上からの声がした。上を見ると、建物の屋上から彼奴は顔を出してた。


「何んなとこ登ってるんだよ・・・ι」


「良いじゃないですか!!それより空!!空が綺麗なんですよ!!」


「たく・・・」


俺は溜め息混じりに屋上へ上った。屋上へ付くと、は仰向けになって寝転んでいた。


「グリードさんも♪」


「はいはい・・・」


に言われ、俺も仰向けになって寝転んだ。


「今日は満月で綺麗です・・・」


「そうだな・・・」


確かに空は綺麗で・・・ま、には及ばないけどな。


「ずっとグリードさんと一緒に居たいなぁ・・・」


ポツリと呟いた彼奴の言葉に耳を疑った。


「私・・・グリードさんが好きです・・・」


空を見たまま、は言った。


「・・・先越されたなぁ・・・」


「え?」


俺の方を向こうとするの唇に軽いキスをした。


「グ・・・グリードさん・・・」


真っ赤になる彼奴を俺は楽しげに眺めた。


「俺は強欲だからな。欲しい物は手に入れなきゃ気がすまねぇんだ。」


そう言って、俺はを抱き締めた。


「俺の女になれ。。」


「・・・何処までもついて行きますよ。グリードさんの為なら。」


少しだけ身体を離し、本日二度目のキスをした。




FIN。