――入学式、初めて先輩を見た。
 その時から惹かれていた。
 真っ直ぐな瞳、太陽の様な金色の髪。
私は貴方の視界に入るのかな?――


一目惚れ



・ケレブ。鋼学園中等部に通う一年生。
彼女は入学して直ぐにこの学校の生徒会長に恋をした。


「今日の5限目は・・・げ、英語だ。
・・・単位は取れてるし・・・サボろうかな?」


などと屋上で考えている。
サボりはまずいですよ(汗


「眠いし・・・昼寝でもしよう。」


そう言うと、一目に入らなさそうな給水タンクの陰で眠ろうと、梯子に足をかけた。
顔を出して覗いてみると、すでに先客が居た。


「エドワード・・・先輩?」


彼女の気配に気付いたのか、エドはの方を向いた。


「あれ?じゃん。」


生徒会の書記をやっているはエドに名前を覚えられている。


「エドワード先輩もサボりですか・・・?」


「ん?まぁな。授業暇だし。」


そう言うと、エドは寝転がった。


「そう言うお前もサボりだろ?」


「ははは、当たりです。」


苦笑気味には答えた。


「だったら、んな所に居ないでこっちに来れば良いだろう?」


「え、でも・・・」


脇を持ち、持ち上げた。


「せ・・・先輩?」


恥ずかしさのあまり、は顔を真っ赤にした。


「お前軽いなぁ・・・ちゃんと食ってるのか?」


そう言いながらエドはを下ろした。


「ちゃ・・・ちゃんと食べてますよ///」


エドを直視できないのか、は俯いたまま返事を返した。


「にしては軽いな。ウィンリィとは大違い。」


彼の口から出た名前にの身体は強張った。


「先輩は・・・ウィンリィ先輩と付き合ってるんですか・・・?」


は俯きながら聞いた。


「んな訳ねぇだろ。彼奴は幼馴染だから。
それに俺、好きな奴居るし。」


その言葉を聞いて、居たたまれなくなったのか、は梯子を降りようと踵を返した。


?」


「やっぱり私、授業に出てきます・・・」


今にも泣きそうな顔を見せないように、は梯子を降りようとした。


「わ・・・!!!」


梯子を降りようとした時、は足を滑らせてしまった。


!!」


慌てて、の腕を掴むエド。


「大丈夫か?」


そのままを引き上げる。


「あ・・・・ありがとうございます・・・」


「ホントお前ドジだよな。目離せねぇもん。」


の頭に手を乗せ撫でた。


「怪我しないように気を付けろよ?」


「はい・・・」


今だ俯いたままの。そんなを心配し、エドは話し掛けた。


「本当に大丈夫か?」


「大丈夫です・・・それじゃ、私はこれで・・・」


そう言って、再び降りようと梯子の方へ向った。
今度は足を滑らせる事無く、無事に出入り口についた。


!!」


頭上から名前を呼ばれ、は顔を上げた。
キラキラと光る金色の髪に見とれる間も無く、エドは飛び降りてきた。


・・・俺の話聞いてくれるか?」


「何ですか・・・?」


「あのさ・・・俺・・・お前の事好きなんだ。」


「え・・・?」


驚いた表情でエドの目を見る。


「さっき話した時から様子がおかしかったからさ・・・
俺の好きな奴は、お前なんだ・・・」


照れ臭そうに横を向きながら話すエド。


「先輩・・・」


「お前の答えは・・・?」


再びの方に顔を向けたエド。は俯き、泣いていた。


・・・?」


「私も・・・先輩の事が好きです。」


顔を上げたは満面の笑みを浮べていた。


「だったら泣くなよ・・・」


「だって・・・嬉しいんだもん・・・」


溢れてくる涙を拭う
そんな彼女を見て、エドは抱き締めた。


「先輩・・・?」


「嬉しいのは分かったから泣くな。」


「はい。」


予鈴が鳴るまで二人は抱き締めあった。



FIN