イーストシティの駅に向かい、走る一人の少女が居た。
「エド!!」
彼女は目的の人に向って叫んだ。
「!!」
と呼ばれた少女は、エドの胸へと飛び込んだ。
「エド、お帰り!」
「お帰りは変じゃないのか?まぁ、いいか。
ただいま。。」
周りの目を気にせずにイチャつく二人。
「兄さん・・・もうちょっと人気の無いところでイチャついてくれないかな?」
隣にいたアルフォンスが呆れたように口を開いた。
二人は現実に戻ったのか、頬を赤らめ離れた。
「エド、これから司令部に向うの?」
「あぁ。大佐に報告書出さなきゃいけないし・・・」
「そっか・・・」
「終ったらそっちに行くからなvV」
「じゃ、エドの好きなシチュー作って待ってるね。」
またもや、二人の世界に浸る。
そんな二人に見かねて、アルはエドのコートの帽子を引っ張った。
「ほら、兄さん。早く行くよ。」
「ちょ!!アル!!首が絞まる〜〜〜!!!」
ズルズルと兄を引き摺る弟。
はそんな二人を見て、手を振っていた。
小一時間。エルリック兄弟は東方司令部から出てきた。
「全く・・・大佐の話長いったらありゃしねぇ・・・」
「仕様がないよ・・・僕達が悪いんだから・・・」
「アル、先に宿に戻っててくれよな。」
そう言って、エドはアルにトランクを渡した。
「・・・・・・今日は宿に戻ってくるの?」
「何だよ、それ・・・」
「だって、この前の家に行った時、帰って来なかったでしょう?」
「・・・・・・」
アルの言葉に反論出来ないエド。
「今日はちゃんと帰る・・・・・・多分。」
肯定出来ないのが悲しい。
「暫く会ってないし仕様がないと思うけどさ・・・」
「う・・・・・・」
「僕の事は気にしなくて良いから。」
「サンキュ。」
そう言うと、エドはの家に向かい走り出した。
の家に着き、チャイムを鳴らす。
「エド、遅かったね。」
「大佐の話が長ぇんだもん。疲れちまった・・・」
そう言いながら家に足を踏み入れる。
夕食を二人で取って、旅の話を聞いた。
「私・・・国家資格とろうかな・・・」
ふとそんな事を呟いた。
「何言ってんだよ?」
「いや、これでも錬金術師の端くれだし・・・
エド達と一緒に旅したいなって・・・」
は俯きながら言った。
「俺は反対だな。
何時、人間兵器として戦場に狩り出されるか分からない。
そんな所にお前を行かせたくない。」
「それはわかってる。でも、やっぱり・・・」
俯き、悲しい顔をするを、エドはそっと抱き締めた。
「エド・・・?」
「別に国家資格取らなくても旅はできるだろう?」
「そうだけど・・・って、え?」
俯いていた顔を上げ、エドを見る。
「国家資格取らなくても、旅は出来る。
何時か、一緒に連れてってやるからさ。」
「何時かって・・・」
「俺がの事守れるぐらい強くなったらな。
じゃ無きゃ無理。」
「旅が出来るかどうかはエド次第って事?」
「そう言うこと。」
ニッと笑うエド。
「だから、もう暫くは・・・淋しいだろうけど、我慢しててくれよな。」
「うん・・・分かった。」
エドの背に腕を回し、は強く抱き締めた。
「約束だからね。」
「あぁ。約束だ。」
は睡魔に襲われたのか、そのまま眠りに付いてしまった。
「・・・俺一応男なんですけど・・・ι」
安心しきった顔で眠るを見つめ、エドは呟いた。
「ま、いいか。」
そう言うと、彼女を担ぎ寝室へ連れて行った。
「絶対に約束は守るからな。」
眠るの額にキスをし、エドはリビングのソファーで眠りについた。
この約束が守られるのは、1年後だったとか。
FIN
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