「はぁ〜〜〜・・・」
店内に響きそうな溜め息をつく。
「また溜め息・・・・いい加減にしなよ。。」
「だって〜〜〜、・・・・」
「でっても何も無い!バイト中なんだから気引き締めな。」
実際、店に入ってくる客はあまりにも少ない。夜だからと言う事もあるが。
「暇・・・・何だよね・・・・」
「暇なのは私も一緒。ほら、後10分で終わるんだから良いでしょう?」
「うん・・・・」
彼女はバイト先の前にあるコンビニを見た。
「また、彼の事考えてるの?」
「・・・・・・・・・」
何も言わずコクコクと頷くだけの。その行動に思わず溜め息をつく。
「、あんた顔しか知らないのに探してるの?」
「そうだけど・・・・」
「あのさぁ?一つ聞いていい?」
少し控えめに質問してくる。
「何?」
「もしかして、毎日コンビニ行ってるとか・・・・?」
「そうだけど・・・・」
更に溜め息。
「ストーカーだね・・・完璧・・・・」
「酷!そんなこと無いって!」
「度を越せば犯罪だよ??」
「う〜〜〜・・・・」
彼女は唸り、頭を抱えてその場に座り込んでしまった。
「ホラ!立った立った!深夜バイトの人が来たから上がるよ。」
「うん・・・・」
はに更衣室まで強制連行された。(笑)
「で、やっぱり今日も行くの?」
「うん、行くよ。何か今日は居るような気がして・・・・」
さっき見つけた。金髪の男性。きっと彼だと思う。
「でも、前のコンビにでしょう?彼氏がバイトしてる・・・・」
「え?」
鳩が豆鉄砲食らったような顔をする。
「何よ、その顔・・・・私に彼氏が居たらおかしい?」
「そうじゃなくて・・・・彼氏居たんだな〜〜〜って・・・・」
「まぁ・・・・ね・・・・」
少し照れ顔の。
「んじゃ、さっさと着替えて見に行こうか!」
「え?も来るの?」
「居ちゃ悪い?」
「悪くないけど・・・・・」
「んじゃ、いいじゃない。さっさと着替えよう。」
さっさと着替え、前のコンビニに行く二人。と言うよりも、がを引っ張っていると言うのが正しい。
「で、どの人?」
「あ、居た。あの人。」
は金髪の店員に気付かれないように指を指した。
「ん?あの人・・・・」
「知ってるの?」
「高校の先輩。」
「へ?」
「玄奘三蔵先輩。こんな所でバイトしてるんだ・・・・」
呆気に取られたの表情。多分、もの凄い顔になっているだろう。
「お、じゃん。」
不意に後ろから声を掛けられた。っと思ったらに抱きついて来た。
「悟浄・・・・離れて・・・・」
「イヤvV」
「!助けてよ!」
「?」
という言葉を聞いて悟浄は彼女の方を見た。
「・・・・・?マジかよ・・・・」
「深紅の髪・・・悟浄だね・・・・」
あははっと苦笑混じりな顔の。悟浄は片手で頭を押さえた。
「何?二人とも知り合いなの?」
「うん。同じ中学。しかも、同じクラス。」
「俺の悪い噂立てたのもお前だったよな・・・・」
「真実じゃん。」
ギャァギャァと煩くなる店内。
「おい、クソ河童。仕事サボってるんじゃねーぞ。」
そこに現れた金髪の男性。玄奘三蔵だ。
「別に良いだろう?もうすぐ・・・つってもバイト終わってるんだからよ。あ、。着替えてくっから何時もの場所で待ってろ。」
「うん。あ、玄奘先輩も一緒にねvV」
「何で俺まで・・・・」
「はいはい。分かったよ。三蔵。着替えるぞ。」
「ッチ・・・・」
スタスタと店内の奥に消えて行く二人。
「んじゃ、私たちも行きますか?」
「行くって何処に?」
「何時もの場所w」
何時もの場所・・・・そこはの近所の喫茶店だった。
「へ〜〜〜、こんな所で何時も待ち合わせしてるんだ。」
「そうなんだ。悟浄も此処から家近いから。」
「あいつにも一途になれる恋人が出来たか。」
そう言いながらレモンティーを啜る。
「そうそう。あ、中学時代の悟浄の悪い噂って何?」
がコンビニを出てから気になってた事だ。
「あ〜・・・あれね・・・言ってもいいのかな?」
「言ってよ!」
少し悩みながらも、悟浄の中学時代を語ろうとした。
「実は悟浄は・・・」
「話すなって言ってんだろう??」
「うわ!!」
話そうとした時に後ろから出てきた(?)人物。悟浄だ。(悟浄、出番多すぎ・・・)
「おい、エロ河童。何で俺まで此処に来なくちゃいけねぇんだよ・・・」
「いいじゃんvV可愛い彼女の頼みだからなvV」
「で、改めて紹介するね。彼氏の悟浄・・・・は、もう知ってるよね。」
「うん」
「で、先輩の玄奘先輩。」
不機嫌そうな顔でコーヒーを啜る三蔵。
「三蔵は俺のダチ・・・みたいなもんだな。」
「誰がダチだ。誰が。」
「良いじゃねぇかよ。細かいこと気にすんなって。」
賑やかな会話(?)。少し喫茶店の中が煩い程度だ。
「で、が何で此処に居るんだ?」
「私はと同じバイトしてるの。悟浄こそ何でと付き合ってるの?」
「好きだからに決ってるだろう?」
「へ〜〜〜〜〜・・・」
疑惑の目、そんな目で悟浄を見つめる。
「何だよ・・・・その目・・・・」
「中学ではあんなんだったのに・・・・変わったね。」
「そうか?ま、のお陰かもな。」
二人のラヴラヴさについていけないと三蔵。
「そうだ、玄奘先輩。の事覚えてる?」
「あぁ?・・・・あぁ・・・毎日来る客だろう?前に躓きそうになってたな。」
「覚えてくれたんですか?」
三蔵の前には身を乗り出した。その時の衝撃で飲んでいた物を噴出しそうになった悟浄と。
「んなどじな奴、忘れる訳がねぇ。」
喜んでいいのか、落ち込むべきなのか、複雑な心境の。
「三ちゃん。嘘は駄目だぜvV俺、知ってるんだからなvV」
「何をだ?」
「が来るたびに見てるだろう?」
「手目ぇ!何故それを・・・!」
少し取り乱したところで我に返る三蔵。
「三ちゃん、の事好きなんだろう?」
「・・・・・・」
沈黙。周りには認めたと言う証拠になる。
「へ〜〜〜・・・玄奘先輩、が好みだったんだ・・・」
「そんなんじゃねぇよ・・・・」
少し照れ顔の三蔵(笑)。
「ただ・・・気になってただけだ。」
「=好きって事だろう?」
「なら、両思いなんだ。」
「は?」
少し驚いた顔をした悟浄。三蔵も顔には出さないが驚いているだろう。
「。玄奘先輩の事が好きなんだってvV」
「ちょっと!!」
「良いじゃない。この際、言っちゃいなよ。」
「んじゃ、邪魔者は退散しますか。」
「そうだね。頑張ってvVvV」
「ちょっと〜〜〜!!〜〜〜!!」
と三蔵を置いて出て行った二人。
「大丈夫かな?・・・」
出て行ったものの、少し心配になる。
「大丈夫だろう?三蔵はあぁ見えて結構いい性格してっから。」
「そうかもね。」
一方。残されたと三蔵は・・・・
「三蔵さん・・・何か飲み物取ってきましょうか?」
「いや・・・いい・・・・」
ぎこちない二人。残された物の何を話せばいいのか分からず、途方にくれていた。
「・・・と言ったな。」
「はい。」
「俺が好だって本当か?」
「はい。そうですよ。」
「何でだ?」
は少し顔を赤くして話した。
「えっと・・・一目惚れ・・・みたいなものですかね・・・・・見たときにカッコよくて優しくて・・・・でも、無愛想で・・・・何時の間にか店から貴方の姿を見ていたんですよね・・・」
「・・・・・そうか・・・」
「友達からでもいいんです・・・・私と付き合ってくれませんか・・・・?」
三蔵は少し鼻で笑った。
「駄目・・・・ですか?」
「俺と付き合うにはそれほど覚悟がいるぞ?」
「いいです。私、ありのままで三蔵さんとお付き合いしたいんです。」
「・・・・わかった」
「え?」
少し驚いた顔をした。
「付き合ってやる・・・・そでれいいか?」
「はい。ありがとうございます。」
「それと一つ。」
「何ですか?」
「『さん』付けで呼ぶのはやめろ。それと敬語もだ。何か鬱陶しい。」
「分かりまし・・・あ・・・・ι」
彼女は慌てて自分の口を塞いだ。
「すぐには無理か・・・」
「みたいです・・・・」
苦笑気味の。それを見て少しばかり微笑む三蔵。
「ま、これから慣らしていけばいい。」
「はい。」
「出るぞ。あのクソ河童に一発お礼と行こうか・・・」
「暴力は駄目ですよ・・・・」
喫茶店から出る二人の影。この後、一人の男の悲鳴が聞こえたという・・・・・
恋とは何時も突然で、予想がつかないもの。
私は、三蔵とコンビニで出会って、恋に落ちたけど、
もっと違う形が貴女の側に在るかもしれないよ?
ほら、すぐ側にvV
FIN
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