何時も行っているコンビニに貴方の姿を見たのは、先日の話だった。
私が床に置いてあった品物に躓き、倒れそうな所を助けてくれた彼。
『大丈夫か?』
その一言が頭から消えない・・・・それと、貴方の姿も・・・・
まるで太陽みたいな金髪と綺麗な紫水晶(アメジスト)みたいな瞳の・・・・



出会い




「はぁ〜〜〜・・・」


店内に響きそうな溜め息をつく


「また溜め息・・・・いい加減にしなよ。。」


「だって〜〜〜、・・・・」


「でっても何も無い!バイト中なんだから気引き締めな。」


実際、店に入ってくる客はあまりにも少ない。夜だからと言う事もあるが。


「暇・・・・何だよね・・・・」


「暇なのは私も一緒。ほら、後10分で終わるんだから良いでしょう?」


「うん・・・・」


彼女はバイト先の前にあるコンビニを見た。


「また、彼の事考えてるの?」


「・・・・・・・・・」


何も言わずコクコクと頷くだけの。その行動に思わず溜め息をつく


、あんた顔しか知らないのに探してるの?」


「そうだけど・・・・」


「あのさぁ?一つ聞いていい?」


少し控えめに質問してくる


「何?」


「もしかして、毎日コンビニ行ってるとか・・・・?」


「そうだけど・・・・」


更に溜め息。


「ストーカーだね・・・完璧・・・・」


「酷!そんなこと無いって!」


「度を越せば犯罪だよ??」


「う〜〜〜・・・・」


彼女は唸り、頭を抱えてその場に座り込んでしまった。


「ホラ!立った立った!深夜バイトの人が来たから上がるよ。」


「うん・・・・」


に更衣室まで強制連行された。(笑)


「で、やっぱり今日も行くの?」


「うん、行くよ。何か今日は居るような気がして・・・・」


さっき見つけた。金髪の男性。きっと彼だと思う。



「でも、前のコンビにでしょう?彼氏がバイトしてる・・・・」


「え?」


鳩が豆鉄砲食らったような顔をする


「何よ、その顔・・・・私に彼氏が居たらおかしい?」


「そうじゃなくて・・・・彼氏居たんだな〜〜〜って・・・・」


「まぁ・・・・ね・・・・」


少し照れ顔の


「んじゃ、さっさと着替えて見に行こうか!」


「え?も来るの?」


「居ちゃ悪い?」


「悪くないけど・・・・・」


「んじゃ、いいじゃない。さっさと着替えよう。」


さっさと着替え、前のコンビニに行く二人。と言うよりも、を引っ張っていると言うのが正しい。


「で、どの人?」


「あ、居た。あの人。」


は金髪の店員に気付かれないように指を指した。


「ん?あの人・・・・」


「知ってるの?」


「高校の先輩。」


「へ?」


「玄奘三蔵先輩。こんな所でバイトしてるんだ・・・・」


呆気に取られたの表情。多分、もの凄い顔になっているだろう。


「お、じゃん。」


不意に後ろから声を掛けられた。っと思ったらに抱きついて来た。


「悟浄・・・・離れて・・・・」


「イヤvV」


!助けてよ!」


?」


という言葉を聞いて悟浄は彼女の方を見た。


・・・・・?マジかよ・・・・」


「深紅の髪・・・悟浄だね・・・・」


あははっと苦笑混じりな顔の。悟浄は片手で頭を押さえた。


「何?二人とも知り合いなの?」


「うん。同じ中学。しかも、同じクラス。」


「俺の悪い噂立てたのもお前だったよな・・・・」


「真実じゃん。」


ギャァギャァと煩くなる店内。


「おい、クソ河童。仕事サボってるんじゃねーぞ。」


そこに現れた金髪の男性。玄奘三蔵だ。


「別に良いだろう?もうすぐ・・・つってもバイト終わってるんだからよ。あ、。着替えてくっから何時もの場所で待ってろ。」


「うん。あ、玄奘先輩も一緒にねvV」


「何で俺まで・・・・」


「はいはい。分かったよ。三蔵。着替えるぞ。」


「ッチ・・・・」


スタスタと店内の奥に消えて行く二人。


「んじゃ、私たちも行きますか?」


「行くって何処に?」


「何時もの場所w」


何時もの場所・・・・そこはの近所の喫茶店だった。


「へ〜〜〜、こんな所で何時も待ち合わせしてるんだ。」


「そうなんだ。悟浄も此処から家近いから。」


「あいつにも一途になれる恋人が出来たか。」


そう言いながらレモンティーを啜る。


「そうそう。あ、中学時代の悟浄の悪い噂って何?」


がコンビニを出てから気になってた事だ。


「あ〜・・・あれね・・・言ってもいいのかな?」


「言ってよ!」


少し悩みながらも、悟浄の中学時代を語ろうとした。


「実は悟浄は・・・」


「話すなって言ってんだろう??」


「うわ!!」


話そうとした時に後ろから出てきた(?)人物。悟浄だ。(悟浄、出番多すぎ・・・)


「おい、エロ河童。何で俺まで此処に来なくちゃいけねぇんだよ・・・」


「いいじゃんvV可愛い彼女の頼みだからなvV」


「で、改めて紹介するね。彼氏の悟浄・・・・は、もう知ってるよね。」


「うん」


「で、先輩の玄奘先輩。」


不機嫌そうな顔でコーヒーを啜る三蔵。


「三蔵は俺のダチ・・・みたいなもんだな。」


「誰がダチだ。誰が。」


「良いじゃねぇかよ。細かいこと気にすんなって。」


賑やかな会話(?)。少し喫茶店の中が煩い程度だ。


「で、が何で此処に居るんだ?」


「私はと同じバイトしてるの。悟浄こそ何でと付き合ってるの?」


「好きだからに決ってるだろう?」


「へ〜〜〜〜〜・・・」


疑惑の目、そんな目で悟浄を見つめる


「何だよ・・・・その目・・・・」


「中学ではあんなんだったのに・・・・変わったね。」


「そうか?ま、のお陰かもな。」


二人のラヴラヴさについていけないと三蔵。


「そうだ、玄奘先輩。の事覚えてる?」


「あぁ?・・・・あぁ・・・毎日来る客だろう?前に躓きそうになってたな。」


「覚えてくれたんですか?」


三蔵の前には身を乗り出した。その時の衝撃で飲んでいた物を噴出しそうになった悟浄と


「んなどじな奴、忘れる訳がねぇ。」


喜んでいいのか、落ち込むべきなのか、複雑な心境の


「三ちゃん。嘘は駄目だぜvV俺、知ってるんだからなvV」


「何をだ?」


が来るたびに見てるだろう?」


「手目ぇ!何故それを・・・!」


少し取り乱したところで我に返る三蔵。


「三ちゃん、の事好きなんだろう?」


「・・・・・・」


沈黙。周りには認めたと言う証拠になる。


「へ〜〜〜・・・玄奘先輩、が好みだったんだ・・・」


「そんなんじゃねぇよ・・・・」


少し照れ顔の三蔵(笑)。


「ただ・・・気になってただけだ。」


「=好きって事だろう?」


「なら、両思いなんだ。」


「は?」


少し驚いた顔をした悟浄。三蔵も顔には出さないが驚いているだろう。


。玄奘先輩の事が好きなんだってvV」


「ちょっと!!」


「良いじゃない。この際、言っちゃいなよ。」


「んじゃ、邪魔者は退散しますか。」


「そうだね。頑張ってvVvV」


「ちょっと〜〜〜!!〜〜〜!!」


と三蔵を置いて出て行った二人。


「大丈夫かな?・・・」


出て行ったものの、少し心配になる


「大丈夫だろう?三蔵はあぁ見えて結構いい性格してっから。」


「そうかもね。」


一方。残されたと三蔵は・・・・


「三蔵さん・・・何か飲み物取ってきましょうか?」


「いや・・・いい・・・・」


ぎこちない二人。残された物の何を話せばいいのか分からず、途方にくれていた。


・・・と言ったな。」


「はい。」


「俺が好だって本当か?」


「はい。そうですよ。」


「何でだ?」


は少し顔を赤くして話した。


「えっと・・・一目惚れ・・・みたいなものですかね・・・・・見たときにカッコよくて優しくて・・・・でも、無愛想で・・・・何時の間にか店から貴方の姿を見ていたんですよね・・・」


「・・・・・そうか・・・」


「友達からでもいいんです・・・・私と付き合ってくれませんか・・・・?」


三蔵は少し鼻で笑った。


「駄目・・・・ですか?」


「俺と付き合うにはそれほど覚悟がいるぞ?」


「いいです。私、ありのままで三蔵さんとお付き合いしたいんです。」


「・・・・わかった」


「え?」


少し驚いた顔をした


「付き合ってやる・・・・そでれいいか?」


「はい。ありがとうございます。」


「それと一つ。」


「何ですか?」


「『さん』付けで呼ぶのはやめろ。それと敬語もだ。何か鬱陶しい。」


「分かりまし・・・あ・・・・ι」


彼女は慌てて自分の口を塞いだ。


「すぐには無理か・・・」


「みたいです・・・・」


苦笑気味の。それを見て少しばかり微笑む三蔵。


「ま、これから慣らしていけばいい。」


「はい。」


「出るぞ。あのクソ河童に一発お礼と行こうか・・・」


「暴力は駄目ですよ・・・・」


喫茶店から出る二人の影。この後、一人の男の悲鳴が聞こえたという・・・・・


恋とは何時も突然で、予想がつかないもの。
私は、三蔵とコンビニで出会って、恋に落ちたけど、
もっと違う形が貴女の側に在るかもしれないよ?
ほら、すぐ側にvV



FIN