「三蔵!!大変!!」


そう言って三蔵の部屋に入って来たのは一人の少年。



Trade




「悟空、手前ぇ静かに出来ねぇのか・・・?」


「だから大変なんだってば!!三蔵!!」


「・・・どう大変なんだ?」


青筋を立てながら三蔵はハリセンに手を掛けた。


「のわ〜〜〜!!」


突然隣の部屋から悲鳴があがった。そして三蔵の部屋のドアが開け放たれた。


「三蔵!!」


「どいつもこいつも・・・煩るせぇ!!少しは静かに出来ねぇのか!!手前ぇ等!!」


ハリセンで叩かれる悟空と


「・・・俺・・・だよな・・・?」


「やっぱり・・・私・・・だよね・・・?」


互いの顔を見ながら溜め息を吐く二人。言葉使いが違う事に気が付いた三蔵。


「どう言う事だ・・・?」


「私と悟空の躰が入れ替わってるみたい・・・」


悟空の姿をしたが口を開いた。


「どうした?ちゃんらしくない悲鳴が聞こえたんだけど?」


「一体、何があったんですか?」


の姿をした悟空の悲鳴を聞きつけ、悟浄と八戒が三蔵の部屋に入ってきた。


「実はね・・・悟空と私の躰が入れ替わっちゃったみたいなの・・・」


悟空らしくない口調に少し引き気味の二人。


「じゃ・・・今悟空の姿をしているのがで、の姿をしているのが悟空・・・て事ですか?」


「うん・・・」


「お前等何かしたか?」


「してねぇよ!!」


声を張り上げる悟空。
此処から解かりやすくするため、の発言は『』にします。


『なんか・・・あ、悟空。もしかしてあれじゃないかな?』


「あれって?」


『ほら、昨日買ったお菓子。』


「あ〜〜〜・・・」


何かを思い出した二人。


「何を買ったんだ?」


眉間に皺を寄せながら三蔵が言った。


『えっと・・・二つ飴があったの。それを二人で食べるといい事が起きるって・・・』


「で、起きたのがコレ?」


『うん・・・多分コレしかないと思う・・・』


少し落ち込み気味の


「ま、どうにかなるだろう?」


と明るい悟空。
躰が違う所為か、違和感を覚える三人。


「取り合えず朝ご飯にしましょう。」


「飯〜〜〜!!」


両手を上げて喜ぶ悟空。


「元に戻るまでは仕様がねぇな・・・」


『ごめんなさい・・・迷惑かけちゃって・・・』


「良いって。んじゃ、行きますか?」


、早く行こうぜ。」


『・・・私はいいや。部屋に戻るね・・・』


そう言うとは自室に戻った。


・・・」


「んなしけた面すんじゃねぇよ。可愛いちゃんの顔が台無しだろ?」


は俺の彼女なんだからな!!」


「解かってますって。チビ猿。」


「んだと!!」


姿が変わっても今までと同じ用に接する悟浄。
こうして騒がしい朝飯争奪戦が始まった。




?入るぞ。」


『悟空?鍵開いてるよ。』


中から声がし、悟空はの部屋に足を踏み入れた。


「何落ち込んでるんだよ?」


『だって・・・私三蔵達に迷惑掛けっ放しで・・・申し訳なくて・・・』


今にも泣きそうな。そんな彼女を力一杯抱き締めた。


「誰も迷惑なんて思ってない。だから悲しい顔すんなよ。俺は笑ってるが一番好きだから。」


『悟空・・・』


そう言って悟空の顔を見る。顔を見た彼女は行き成り笑い出した。


?」


『ごめん・・・なんかさぁ、自分が自分に言ってるみたいでなんか違和感あるんだよね・・・』


「その内どうにかなるって。」


『そうだね』


クスクスと笑う二人。
二人が元に戻ったのは次の日の事だった。




おまけ

浄「ちゃんに猿って言いそうになった・・・」


八「仕様が無いですよ・・・姿が姿ですから・・・あまり食事を取らない悟空も少し嫌でしたね。」


三「ばくばく食うも嫌だ。」


浄「ちゃんはおしとやかなのが一番だからなぁ・・・(遠い目)」




苦悩と戦いながら三人は一日を過ごしたのだった。




FIN