「リョーマ、ゲームやろうぜ☆」
雨が降っていて、部活が中止になった午後、はリョーマの部屋にゲーム片手に入って来た。
「何のゲーム?」
「ん、格ゲー。
やろうぜ。」
リョーマに有無を言わさず、はゲームをセットした。
「ほらほら
リョーマも。」
はリョーマにコントローラーを渡した。
「…何か賭ける?」
リョーマが言いだした事には考えた。
「んじゃ〜な〜…
明日の昼飯!!」
「乗った。」
昼飯を賭け、ゲームは開始された。
勝敗の結果は…
「俺の勝ち〜〜♪」
「にゃろぅ…」
「約束は守れよ?」
「分かってる。」
昼飯をか賭けた勝負はリョーマの負け。
ふとリョーマは窓の外を見た。
「雨…強くなってきたな…」
段々と威力を増す雨。
遠くの方で光る雷。
「この時期って結構雨が降るからな。」
そう言って興味が無いかの如く、はスタートボタンを押した。
「リョーマ、もう一回戦。」
「分かったよ…」
1時間後、ゲームに飽きたのか、リョーマはコントローラーを老いた。
「リョーマ?」
「疲れた。」
ゲームをやり過ぎたのか、少し頭痛を感じる。
「え〜〜
もうちょっとやろうよ〜〜」
不満な声を漏らす。
リョーマはそんな彼女の頭を撫でた。
「別に、部屋入るのに口実なんていらないだろ?」
「…気付いてたのか?」
「雨降ってから様子がおかしかったから。
誰だって気付くと思うけど?」
そう、は無理に明るくしていた。
リョーマはそれに気付いていた。
「…雷も苦手だけど、雨も苦手なんだ。」
ぽつりぽつりと話し始める。
「雨降るとさ…自分って此処に居て良いのか?とか
周りに迷惑かけてるとか
余計な事考えるんだ。
ホント余計な事だろ?」
リョーマの方を向き、力なく微笑む。
「別に、俺は迷惑とか思ってないから。
それにが居なきゃ、何かつまらないし。」
「リョーマ…」
「だから、マイナス思考やめたら?
メンタル面で弱かったら、この先何にもやってけないよ?」
彼なりの精一杯の励まし。
もその事は分かっている。
「そうだな…
ありがとな。リョーマ。」
「別に…」
お礼を言われたのが照れ臭いのか、目線をから外した。
窓の外を見ると、辺り一面に光が発した。
「雷…」
雷の光を見ていると、急に腹部辺りに温もりを感じた。
「…大丈夫。」
の頭をそっと撫でる。
「ごめん…やっぱり…恐い…」
「落ち着くまでこのままでいいよ。」
「ありがとう…
リョーマ…
お前が傍に居てくれてよかった…」
雨がやむまで、二人はこのままでいた。
「雨、やんだみたいだね。」
「そうだな…」
窓から差し込む夕日の光。
二人はそれを眺めていた。
「んじゃ、俺は飯の支度手伝ってくるな。」
はリョーマから離れ、ドアの方に向かった。
「。」
「何?」
リョーマに呼び止められ、振り向いた。
「…俺はが此処に居てくれて良かったって思ってる。
それと…」
「それと?」
「…何でもない。」
「そこまで言ったなら全部言えよ!!」
「言いたくなったら言う。」
「何だよ、それ!!」
頬を膨らませ怒る。
そんな彼女を呆れた様に見つめるリョーマ。
『俺、お前の事好きだから。』
なんて
今はまだ
言わないけどね。
何時か時が来たら言うよ。
その時は
今よりもっと
傍に居るよね?
。
Fin
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