――異世界から飛んできた女。
凄く強気で、勝気で、男勝りで。
俺と一緒に居ても、どっちが男かわからないくらいで。
でも、時折見せる弱さが凄く嫌で。
ずっと傍で笑っていてもらいたい。
彼奴に泣き顔は似合わない。――


ずっと傍で・・・



「リョーマvV」


そう言ってノックも無しに部屋に入ってくる人物。 


「出かけようぜvV」


そう言って笑顔を見せられたら、断れずに俺は腰を上げる。


「何処に行くんだよ・・・寒いのに。」


「良いから。早く行こうぜ♪」


手を引かれ、強制的に外に連れ出された。


「で、何処に行くわけ?」


「ジャ〜ン♪」


目の前に出された二枚のチケット


「何コレ・・・?」


一枚を手にとって見てみるとそこには遊園地の無料招待券。


「此処って・・・」


「そうvV千葉県にある、某鼡ランドvV」


鼡ランドじゃなくて、ディズニーランド。


「昨日さ、テニスの試合みたいのがあってな。
そこで見事に優勝したって訳vV」


そういや、そんな事言ってたな・・・


「でな、普通に連れ出したらリョーマ『行きたくない』って言うだろ?
だから強制的にvV」


そりゃ、人込みは嫌いだから。絶対断るな。


「今日一日、俺とデートしようぜvV」


俺は仕様がなくの後に着いていった。



舞浜駅に付き、俺等は足を進めた。


「な、リョーマ!あれ乗ろうぜ!!」


そう言ってが指差したのはスプラッシュマウンテン。


「・・・マジ?」


「マジマジ。もしかしてリョーマ怖いのか?」


「・・・別に。早く行くぞ。」


そんなこんなで、乗ったは良いものの・・・


「きゃ〜〜〜!!!」


の凄い悲鳴が響き渡った。


「・・・怖かった・・・」


「それじゃ乗りたがるなよ。」


足元がフラフラしてるを支えるように、俺は肩を持った。


「だって・・・コレ写真あるじゃん。」


それが目的か・・・ι


「ほらほら、これこれ!!」


指差した先の写真には俺に抱きつくの写真・・・


「買うのか・・・?」


「買う。」


即答。は番号を覚え、レジに向った。


「ん〜〜〜vVいい買い物した♪
あ、リョーマ。一枚あげる。」


渡された写真。
・・・どうしろと?


「あ、次アレやろう!!」


今日はに振り回されっ放しな俺。
・・・ま、たまには良いけど。
が笑顔なら俺はそれだけでいい。




閉園ギリギリまで遊んでいた為、帰りは勿論満員電車。


「う〜〜〜・・・キツイ・・・」


「大丈夫か?。」


を抱き締めるように、俺は立っている。


「多分・・・」


やっとの事で青春台駅についた。


「あ〜〜〜!!楽しかったなvV」


「そうだな・・・」


俺は疲れが溜まったような気がした。


「あ!!リョーマ!!」


「今度は何?」


の方を向くと、上を向いていた。
俺もつられて上を向くと・・・


「SNOW・・・?」


「綺麗だな・・・」


こんな時期に降るなんて珍しい。
そんな事を思いながら俺は空を見上げていた。


「・・・さむっ。」


声が聞こえ、の方を見ると肩を抱えて震えていた。
「・・・たく。」


俺はコートを脱ぎ、に掛けた。


「リョーマ?」


「寒いの弱いだろ?
着ときなよ。」


「でも、リョーマ寒いじゃん。」


「俺は良い。」


そう言って俺はさっさと歩いて行った。


「リョーマ。」


俺の横に立ち、は手を掴んだ。


「手袋も何もしてないと寒いだろ?
片手だけだけど・・・」


そう言って俺の手をぎゅっと握る。
少し照れた顔。


。」

名前を呼ぶと、素直に俺の方を見てくれる
顔をあげた瞬間、俺はの顎に手を当てキスをした。


「Thank You。」


てか、ごちそうさま。


「リョ・・・リョーマ!!」


顔を真っ赤に染めて怒る
迫力ないんだよね。


「寧ろ可愛いかも。」


「いい加減にしろ!!」


俺の背中を力強く殴る。


「て〜〜〜・・・」


「リョーマが悪い。」


「何でだよ。
向こうじゃコレぐらい普通だろ?」


「俺は日本人だ!!」


「でも、帰国子女じゃん。」


そう言われ、何もいえなくなった
ま、確かにちゃんとした告白をしたわけじゃない。
でも、無性にしたくなったんだよね。


可愛いな。」


「リョーマ!!」


「んじゃ、Pretty?」


「英語で言うな!!」


は可愛いと言うと凄く照れる。
言われ慣れてない証拠だな。


。」


「今度はなんだよ?」


不信そうな目で俺を見つめる
俺はの顔を引き寄せ、耳元で呟いた。


「Dearest person, you.」


「リョーマ!!」


殴られる前に逃げる。


「英語で言うな!!」


逃げた俺を捕まえる為には駆けて来る。


「逃げ足は速いぞ?」


「逃げるな!!」


家まで競走。どっちが勝つかは解からない。



FIN