「おはようございます。」


朝、一番最初に起きたのは八戒だった。


「おはよう。八戒。
結構お前起きるの早いんだな。」


一行の保父さん(笑)な八戒を見ながらは微笑んだ。


「昨日は本当にお騒がせしました。」


「別に気にしねぇって。
そういや…他の奴等は?」


八戒以外誰も起きてこない事を疑問に思った


「一番早起きなのは僕ですから。
その内起きてきますよ。」


八戒が言うのと同時に、2階から騒がしい声が聞こえてきた。


「ほら。」


「本当だ・・・」


額に汗をかきながらも、は朝ご飯の支度を始めた。


!!おはよう!!」


「はよ〜〜〜…」


「…」


ぞくぞくとリビングに集まる三蔵一行。


「おはよう。悟空。
悟浄・・・上を着ろ。
三蔵・・・ちゃんと起きてるか?
あれ?さんは?」


Welcome! To the world of F.A!二日目。


の姿が見えなく、は聞いた。


「あぁ…もうちょっと寝かせないと…
睡眠時間が足らないと、一日中不機嫌になるからさ。」


悟浄はにもわかるように説明した。


「なるほど…んじゃ、お前ら先に飯くっちゃいなよ。」


両手にお皿を抱え、テーブルの上に食事をおいた。


「これ全部食っていいのか?!」


テーブルに並べられた食事を見て、悟空は声を上げた。


「お前らだけで食っていいぞ〜。」


はぞくぞくと食事を運んでくる。
あっという間にテーブルの上が食事で埋め尽くされた。


「…よく作ったなぁ。」


目の前の食事に感心する悟浄。


「だって、悟空が一番よく食うだろ?」


が話すのを余所に、悟空はもう食べ始めていた。


ってスゲー料理美味いな!!」


「兄貴と二人暮しだからな。」


満面の笑みで言われ、は少し照れた。


「おはよう。」


少し遅いお目覚めのエド。


「エド、おはよう。
朝飯できてるぞ。」


「・・・これ全部作ったのか?」


目の前に並べられている料理を見ながらに言った。


「そうだけど。エドも早く食べないとなくなるぞ?」


凄い勢いで食べる悟空を目の前にエドは溜め息を吐いた。


「いや・・・俺はいいや。
アルが宿で待ってるし。」


「そっか・・・今日は非番だからデートでもしようと思ったのに・・・」


のそんな発言に、エドは固まった。


「えっと・・・」


「ま、いいや。
皆、街案内するよ。」


固まるエドを余所には三蔵達の方を向いた。


「マジで?」


「いいんですか?」


「あぁ。別に俺は構わないよ。
どうする?」


更に固まるエド。
そんな彼を楽しそうに見る


さんも呼んで、皆で出かけようよ。」


「どうします?三蔵?」


「・・・・・・勝手にしろ。」


三蔵の了承が出たのを喜ぶ悟空。


「んじゃ、俺さん起こしてくるから。」


はそう言うとリビングを出て行った。


「君達には私の服を貸そう。
最も、入るか解からないがね・・・」


三蔵達の服は街中で歩くには不自然すぎると思い、ロイは言った。


「俺ははいんねぇだろ?普通に。」


そう言う悟浄。
確かに、悟浄の背丈ではロイの服は入りそうに無い。


「・・・君はそのままでも十分大丈夫だろう。」


悟浄を置いて、ロイは部屋へ案内した。




数分後。


「皆、着替え終わったか?」


はリビングに入った。


「八戒・・・やっぱり兄貴のじゃ小さかった?」


「えぇ・・・少し・・・」


ロイより背丈の高い八戒。
黒のハイネックの服は袖の長さが足りず、七部丈になってしまった。


「三蔵は・・・大丈夫みたいだな・・・」


同じく、黒のYシャツを着ている三蔵は、全体的に細い為大丈夫だった。


「悟空は俺のシャツで大丈夫かな?」


そう言っては手に持っていた長袖のTシャツと半袖のTシャツを悟空に渡した。


「着てみれば良いだろう?」


「んじゃ、着て来い。」


そう言って悟空をロイの部屋に押し込んだ。


「エドも、服変えてみたら?」


「別にこれでも良いだろう?」


「だけどさぁ・・・」


何時もの服装のエドを見て、は言った。


「やっぱり違う服装の方がいい・・・」


は何時もと違い、髪を下ろし女性らしい格好をしている。


「・・・解かったよ。」


「ついでに悟空にズボン貸してやって。
あの半ズボンじゃ・・・ちょっとな。」


「解かった。」


そう言って、エドもロイの部屋に行った。


「んじゃ、兄貴は仕事頑張れよvV」


「・・・あぁ。行ってくる。」


少し遅めの出勤。
リザの銃撃に少し怯えながらロイは家を出た。


「悟空とエドが用意できたら出かけるぞ〜〜〜。」


そう言いながらのほほんと紅茶を啜る


「あ、八戒。」


「何ですか?」


「お前の服は、街に出た時どこかで買おうな。
悟浄も。」


「いいんですか?」


「マジで?」


悟浄と八戒の言葉が重なった。


「ん。ついでに皆のも買ってやるよ。」


「でも・・・お金・・・」


お金の心配をする八戒。現実的だ。


「大丈夫。国軍中佐兼国家錬金術師の俺だから。金はあるぞ〜〜。」


年間の研究費の半分も使っていないは貯金が沢山ある。(こちらも現実的。


「用意できたぞ〜〜。」


。お前の服丁度良いぞ。」


用意が出来たのか、悟空とエドがリビングに入ってきた。


「よかった。んじゃ、行きますか。
あ、悟浄。」


「ん?何?」


「外に出たら勝手な行動とるなよ?」


釘をさすようには言った。


「は?何で俺だけ・・・」


「お前が一番心配なんだよ。
誰それ構わずナンパするから。」


その言葉に何も言えなくなった悟浄。


「それと悟空。
食いモンあるからって突っ走るなよ?」


「解かった!!」


「三蔵も、所構わず発砲しない事。
てか、銃置いてけ。」


「別に構わねぇだろ?」


「一応は一般人なんだから銃は置いていく事。
じゃないと、俺が軍の方で保管しちゃうけど・・・?」


にそう言われ、三蔵は渋々に銃を渡した。
三蔵一行を纏める保母さん的存在の


「僕の仕事とられてしまいましたね・・・」


「でも、一日で彼奴等手なずけるって凄くない?」


と八戒はそんなことを話していた。


「確かに・・・さんの怖さは、悟空と悟浄が一番理解してますからね。」


黒い笑みを浮べながら八戒は言った。


「んじゃ、出発〜〜!!」


そして町に繰り出した7人。




まず手始めに服屋で買い物。


さんはこの服似合いそうですね。」


「そう?ちゃんはこの服似合いそう〜〜♪」


男女別行動。(ぇ
は婦人服を見漁っている。
一方男性陣は・・・


「へぇ・・・こっちではこう言う服が流行ってるんだ・・・」


悟浄のみ、服の漁り。


「三蔵、ウエストいくつですか?」


「・・・57。」


「細!!」


三蔵のウエストの細さに驚くエド。


「それじゃ、婦人服しか合わないんじゃないんですか?」


「・・・煩るせぇ。(怒)」


八戒の発言に眉間に皺を寄せる三蔵。


「悟空、服決まったか?」


「全然。俺どう言うのが似合うのか全然わかんねぇもん。」


しょうがなく、エドは悟空の服を選んだ。


「ガキコンビか?」


「あぁいうのも絵になりますね♪」


そうか?という悟浄の疑問は口に出さずに終った。




待ち合わせ場所に少し早めに着いた


「彼奴等・・・買い物に時間掛かってるな・・・」


そう言うの足元には複数の紙袋。


「結構買っちゃったね・・・ι」


「そう?これぐらい普通だよ?」


今日の買い物の値段を計算したら凄い事になるだろうなと心の中で思う


ちゃんって、滅多に買い物しないタイプ?」


「うん。季節の変わり目に買い込むタイプだから。
滅多に家に帰らないからさ。買う暇がないんだ。」


旅の途中に買ったとしても余計な荷物になると思っている


「ま、春夏秋冬とわず、長袖でズボンだけどね。」


「流石に女性で機械鎧は痛いからね。」


機械鎧の事と錬金術の事を昨日の夜に聞いたは納得した。


「しかも、軍に居る時は軍服しか着ないから。
他のもの買う暇もない。」


「確かにね。」


も滅多に服を買うことがない為、それに同意した。


「っと・・・男性陣来たみたいだな。」


目の前から歩いてくる美形。


「・・・何か・・・モデルが歩いてるみたい・・・」


「皆美形だからねぇ・・・
エドも可愛いけどね♪」


「エドは俺の彼氏です。」


「取らないってvV」


そんな事を話す


「お待たせ。。」


「すみません。遅くなってしまって。」


「別に良いって。
お前等も結構買ったな。」


一人二つは紙袋を持っている。
しかも大きい。


「人の金だと思って・・・(怒)」


「俺も半分は払ったから。
そう怒るなって。」


そう言っての頭を撫でるエド。


「ぶ〜〜・・・ま、いっか。
んじゃ、飯食いに行くぞ〜〜。」


「飯!!」


そう言って目を輝かせる悟空。


「あぁ。イーストで一番美味い店だから期待して良いぞ♪」


どう見ても自分と同い年に見えない悟空には微笑んだ。


「飯♪飯♪」


「静かにしろ!!バカ猿!!」


浮かれる悟空にハリセンの攻撃。
それを見て楽しそうに微笑む


。楽しそうだな?」


「ん?まぁな。
こんなに大勢で行動する事滅多にねぇし。
あいつ等と居ると退屈する事ねぇな。」


「だな。」


エドはエドで少し疲れ気味。




そして、オススメの店にて・・・


「あ、それ俺のパスタ!!食うなよ悟浄!!」


「別に良いだろ?!味見だよ!味見!」


騒ぐ悟コンビ。


さん、美味しい?」


「すっごく美味しい。八戒の料理に負けず劣らず・・・」


「それは僕も頑張らないと♪」


料理対談を繰り広げる、八戒。


「・・・」


「・・・」


そして黙々と箸を勧める三蔵とエド。
この一行の雰囲気に飲まれた店内は貸切状態となっていた。




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