紅い髪、紅い瞳。



今日も周りから散々の陰口。



よー自分等飽きへんな。



俺は飽きたで。



こんな生活に。



ほんま、もうどうでもええわ。






――全てがもうどうでもええんや。――


第一章『赤い紅いイロ』


一人暮らしの家に足を踏み入れた。
親なんて大っ嫌いや。
一人が一番楽なんや。


「ただいま〜」


「よぉ、遅かったじゃねぇか。」


・・・は?
気の所為やろか?
誰も居ない筈のリビングから人の声が…


「何だ?その間抜け面は。」


気の所為や無かったι
なんかナイスバディなネエサンが仁王立ちしとるよ・・・
てか、何ですか?その乳が見えてるスケスケの服は?
それ以前に、俺こんな知り合いいたやろか・・・?



・・・変態の知り合いはいません。(断言)


「つか、何者なんや?お宅。不法侵入で訴えるで。」


「そう警戒するなって。」


誰やって知らん奴が家におったら警戒するやろ。


「んで、何者なんや?」


それが一番の問題。


「俺は観世音菩薩だ。」


はぁ?観世音菩薩っつたら、慈愛と慈悲の象徴だろ?あんたどう見ても神様じゃないって。


「てか、自分みたいなのが神様なんか?」


「あぁ。そうだ。」


・・・精神患者?


まぁ、それは置いといて・・・


「んで、俺に何の用?」


「あぁ。お前を攫いに来た。」


・・・は?
今何とおっしゃいました?


「退屈してんだろ?この生活に。



だったら連れてってやるよ。



退屈する暇もないところにな。」


姉さん(もとい変態)がそう言葉を発した時、光が俺を包んだ。


と、次の瞬間宙に浮いた。





って・・・宙に・・・?



「待てや〜〜〜!!こら〜〜〜!!!」

落ちる〜〜〜!!



「楽しんで来いよ。




・・・約束は守ったぜ。」




下から見上げた観世音の顔は



何処か悲しげだった・・・・



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