前世の事を思い出し、悲しげな表情をする。
「・・・。」
第九章『そしてまた出逢った』
三蔵は何も言わず、黙ってを見つめていた。暫く黙っていた彼女が口を開いた。
「・・・ねぇ、三蔵・・・」
「何だ?」
三蔵は煙草を吸いながら彼女の話を聞いた。
「此処から少し北にある洞窟に行ってくれないかな?」
「・・・何の為にだ?」
「神の力を・・・取り戻す為に。」
は真剣な目で三蔵を見た。
「足手まといに・・・なりたくないし・・・」
「・・・明日の朝、出発する。」
それだけ言い残すと、三蔵は部屋を出て行った。
「・・・羽衣さえ手元に戻れば・・・」
(こんな姿とおさらばできる。)
そんな事を思いつつ、彼女は眠りについた。
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