「・・・帰って来たのか・・・」
声のするほうに身体を向けると、そこに立って居たのは観世音だった。
「観世・・・金蝉は?悟空は?」
「あいつらはもう居ない。」
「え・・・?」
の思考回路が一時停止した。
「居ないって・・・どういう事・・・?」
「金蝉と悟空だけじゃない。捲簾と天蓬もだ。」
「どう言う・・・・事だ・・・?」
何故か嫌な予感がしていた。
「あいつ等は・・・死んだ・・・悟空は、五行山に封印した。」
「訳わかんねぇよ・・・」
は観世音の胸倉を掴んだ。
「解かるように説明しろよ!!観世!!」
「そのままの意味だ・・・」
観世音の表情はとても悲しげで、もそれ以上言えなかった。
「お前にも・・・封印の命令が出た・・・」
「どいう・・・」
「俺にも解からない・・・だが・・・上からの命令だ・・・」
は胸倉を掴んでいた手を下ろした。そして、床に座り込んだ。
「上・・・あいつ等・・・」
「逆らう事は許されない・・・俺に出来る事があれば何でも言ってくれ・・・」
「観世・・・」
観世音の最後の優しさと思ったのだろうか、は口を開いた。
「あいつ等・・・金蝉は転生するんだよな・・・」
「あぁ・・・」
「なら・・・彼奴と同じ時期に俺の魂も転生してくれないか?」
下から見上げる形では観世音を見た。
「何故、金蝉なんだ?」
「俺は・・・彼奴が好きだった・・・討伐が終ったら言おうと思った・・・」
「・・・解かった・・・」
「それと・・・・」
は身に纏っていた羽衣を観世音に渡した。
「これを下界に封印してくれ。」
「これは・・・?」
「神の力を全てこの中に封印してたんだ・・・討伐の時にしか使わない様に・・・下界に置いとけば転生した時取りに行けるだろう?」
「わかった。」
観世音はから羽衣を受け取った。
数日後、の封印が実行された。
Next
|