は淡々と語った。人体練成をした理由を。エドは黙って聞くしか出来なかった。自分と同じ、只純粋にもう一度あの笑顔に会いたかっただけ。彼女は言い終わるとその場に腰を降ろし、膝を抱えて俯いた。
「お前も同じなんだな・・・」
此処まで話されたら、彼も全てを話す事を決めた。
「俺も、お前と同じように母親の人体練成を試みた。やっぱり失敗に終った。」
顔を上げ、は立っているエドの横顔を見つめた。彼は前を見たままだった。
「俺は、代償に左足と、一緒に練成をしていた弟を持っていかれた。」
彼は徐に自分の右腕を押さえた。
「その後すぐに、部屋の中にあった鎧に、弟の魂を練成した。変わりに右腕を・・・・」
彼の横顔は悲しげで、だが、その目には決意が満ちていた。
「その日から決めたんだ。弟を必ず元の身体に戻すって。だから軍に入った。」
「私は・・・あの日、助けてくれた人の役に立つために軍に入った。」
「大佐の為にか?」
エドは座るの視線を落とした。
「うん。血みどろの私を抱えて、病院まで運んでくれたんだもん。」
言い終わると彼女は腰を上げ、横に居るエドを見つめた。
「もう出ようか・・・?何か寒くなってきたし・・・」
「あ・・・あぁ。」
彼の戸惑う顔に、微笑を零した。初めて見た彼女の笑みに、エドもつられて口の端を上げた。
その後、エドは列車に乗ってリゼンブールに戻って行った。また会う約束をし・・・・
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