その夜、マスタング宅に招かれたエドとアル。
「・・・」
「何?エド?」
少しだけ怒り気味のエド。
「俺、の兄貴が大佐だなんて一言も聞いてねぇぞ・・・・」
かなりご立腹のエド。苦笑しながらは食後の紅茶を啜った。
「まぁ、言おうとは思っていたんだけど・・・中々言い出せなかったから・・・」
「鋼の。その辺にしといてやれ。ま、それ以上言うようならば消し炭にするがな。」
かなりのシスコンのロイさん。(笑)妹を思いやる気持ちは解かりますが・・・
「そう言えば、エド。」
「ん?何だ?」
「何時出発するの?」
「あ〜〜〜・・・アルが色々調べてくれて、賢者の石らしい情報があったからな。」
「多分、明日かな?」
「そう・・・・」
アルが言った言葉に少し悲しげな表情をする。
「・・・?」
「じゃぁ、明日早いんだよね?なら、もう寝なきゃね。」
エドを心配させてはいけないと、は精一杯笑顔を作った。そして、は自室に戻って行った。
「・・・」
「鋼の。」
名残惜しそうに彼女の後ろ姿を見送っていると、ロイが口を開いた。
「の部屋は二階の端だ。行ってやれ。」
「・・・・あぁ。」
エドは席を立つと二階に続く階段を上った。
彼女の部屋の前に付き、ノックをした。
序章七『約束をしよう』
「・・・入るぞ・・・」
少し控えめにエドは扉を開けた。窓を開け、空を見上げているがすぐに見えた。
「エド・・・」
振り返って彼女の目は涙で濡れていた。
「・・・」
「何時の間にか泣いてた・・・エドに見られるとは思わなかったよ・・・・」
そう言いながらは涙を拭った。
「エド。」
涙を拭った彼女の目は真剣だった。
「私も連れてって。」
「な・・・!!」
突然のの発言にエドは驚いた。
「何言ってんだよ!!」
「私じゃ力不足?」
今にも泣きそうなの顔。
「そう言う事じゃない!!ただ・・・危険かもしれないから・・・」
「そんなの解かってる。でも、私はエドと居たいの・・・それじゃ駄目なの?」
彼女の上目使いにノックアウト。(笑)エドは少し諦めたようにに言った。
「解かった・・・」
「本当?」
「ただし。」
エドは何か付け加えるように言った。
「2年だけ待ってくれ。」
「何で・・・?」
「今の俺じゃを守りきる自信が無い。だから、2年待ってくれ。それまでに俺は今よりも、もっともっと強くなる。」
「エド・・・」
エドは彼女を抱きしめた。
「必ず強くなってみせる。の為にも・・・」
「うん・・・約束だよ・・・」
次の日・・・
「んじゃ、行って来るな。。」
「うん。行ってらっしゃい。エド。」
列車へと乗り込んだエルリック兄弟。新たな旅がまた始まった・・・
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