昔の事を思い出しながらレポートを書いている。
「あ!!間違えた!」
「だから言っただろう・・・ι」
急いで新しい紙を出す。その時、執務室のドアが叩かれた。
「よ、た〜いさ。」
「こんにちは。マスタング大佐。」
ドアから顔を出したのは、エルリック兄弟だった。
「エド!!」
「!!」
エドを見るやいなや、レポートを放り投げ彼に抱きつく。
「お帰り。エド。」
そう言いながら彼女はエドの頬にキスをした。
「・・・ただいま。///」
赤面のエド。それを見て、苛立つロイ。
「鋼の・・・・・・イチャつくのなら他行ってくれ。」
更に赤面のエド。の顔も真っ赤になっていた。
「それと。レポートを書き上げなくて良いのか?」
「あ!!忘れてた!!」
机に戻り、またワテワテとペンを走らす。
「はい、大佐。報告書と査定用のレポート。」
「あぁ、確かに受け取った。」
「んで、は何をしてるんだ?」
彼女の慌て振りを少し疑問に思ったエド。
「あぁ、レポートが書きあがらなくて困っているのだよ。少し待たないと駄目だぞ。アレは。」
彼女を見る限り、少しでは済まなそうだ。
「まぁ、ゆっくりお茶でも飲んで行きたまえ。」
序章八『約束を果たす日』
そしてお茶を啜りながら話すこと小一時間。
「やっと終った!!」
両手を上に上げ、伸びをする。
「はい、お兄ちゃん。」
「やっと終ったか・・・」
レポートをロイに渡すと早々にエドとアルを連れて東方司令部を出て行った。
「あ、僕調べたい事あるから資料室行ってくるね。」
「あぁ、解かった。」
そう言うと、アルはまた東方司令部の中に戻って行った。
「、約束覚えてるよな?」
「うん。もちろん。今日がその日だよ?」
メインストリートを歩きながら二人は話し始めた。
「出発は・・・明後日だ。それまでに旅の道具とか揃えた方が良いぞ。」
「解かった。んじゃ、明日は買い物だね。」
「そう言う事だな。」
二人は楽しそうに歩いていった。
そして、翌々日。ホームにはエルリック兄弟とマスタング兄弟の姿。
「・・・連絡はちゃんとしてくれ。」
「勿論。解かってる。心配しないで。お兄ちゃん。」
涙ぐむロイの頭を撫でる。
「それじゃ、行って来るね!!」
「あぁ。鋼の、を頼んだぞ。」
「解かってるって。」
こうして、新たな仲間を連れて、旅を始めたのだった・・・
一年後・・・
列車に乗っているエルリック兄弟と。
「?何してるんだ?」
「ん?ちょっと昔を思い出してただけ。」
窓の外を見ていたはエドの方に向き直った。
「俺とエドが出逢った時の事、思い出してたんだ。」
「あぁ、あの頃な。の性格も随分変わったよな・・・」
「そうか?」
首を傾げる。
「あぁ、急に男言葉使うようになったし・・・喧嘩の時は『貴様等、切り刻むぞ。』って言ってるし・・・」
「そうだっけ?全然解かんねぇや。」
(ま、素がこれだからね・・・)
ボソッとエドには聞こえないように呟いた。
「何か言ったか?」
「何でもない。あ、イーストシティが見えてきたぞ!!」
久しぶりの故郷に胸を踊らす。
「お兄ちゃんに現状報告しなきゃな。」
「面倒臭いな・・・・」
渋い顔のエド。笑う。彼らの身体は元には戻っていないけど、それでもまだ、手掛かりを探す為旅を続けてゆく・・・
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