舞台はまた、東方司令部の執務室・・・そこに居るのはお馴染み、マスタング兄妹とエド。
執務室の扉がノックも無しに開かれた。
「よ!ロイ。仕事してるか?」
そこに現れた一人の男性・・・マース・ヒューズ中佐。
「ヒューズ・・・・」
またか、と顔に書いてあるようなロイの表情。
「あ、パパ。」
の発言にエドが固まった。
「PAPA!!」
何故かローマ字。しかも大文字で驚くエド。
「よ、。元気にしてたか?」
「うん。パパも元気だった?」
キャキャっと騒ぐとヒューズ。呆れ顔のロイと驚いているエド。
「・・・パパって・・・?」
「あ、エドには話してなかったね。」
「こいつは俺の娘だ。」
エドが化石化した。
「ちょっと、何言ってんの!!パパって呼べって言ったの中佐でしょう!!」
話に付いて行けないエド。
「んじゃ、ロイ。お前の可愛い妹借りてくな。」
「え?何処か行くの?」
「可愛い娘の為に買い物だ。何でも欲しいもの買ってやるぞvV」
まるで人攫いのようにを引き摺って執務室を出て行くヒューズ。
「大佐・・・パパって・・・?」
化石化から復活したエドがロイに説明を求めた。
「が親父の人体錬成に失敗した事は知っているな。」
「あぁ。」
溜め息混じりにロイは語った。
「彼奴の機械鎧の整備士を紹介したのがヒューズだ。『俺を本当の父親と思っていいぞ』とか言って、パパと呼ばせるようになった。」
「それだけ?」
「まぁ、彼奴のパパは尊敬に値する人って意味もあるがな。」
「へ〜〜〜・・・」
何となく意味が解かったエドだった。
一方、とヒューズは・・・
「にはこれが似合うと思うんだが・・・」
服屋に来ていた二人は、洋服を選んでいた。そして、ヒューズの手に取った服は、フリルのレース付きのワンピース。
「パパ・・・これはちょっと・・・」
「んじゃ、これは!!」
「却下!!!」
この人にはセンスと言うものが無いのだろうか・・・と心の中で呟くだった。
一通り買い物を終え、二人は喫茶店に来ていた。
「そうか・・・エドと旅をねぇ・・・」
「暫くは此処に滞在する予定なんだ。お兄ちゃんの紹介で『綴命の錬金術師』に会いに行くんだって。」
「早く、元の身体に戻れればいいな。」
「うん。」
満面の笑みでは頷いた。
「おっと、汽車に遅れちまう。」
「え?もう帰るの?」
椅子から立ち上がり、そそくさと荷物を持つヒューズ。
「ちょっと、こっちに用があってついでに寄っただけだからな。また会えるって。」
「うん。パパ、身体に気を付けてね。」
「お前も、怪我すんなよ?」
の頭を撫でた後、ヒューズは汽車に乗ってセントラルへと帰っていった。
「さてと・・・俺も帰ろうかな・・・」
はヒューズに買って貰った荷物を両手に持ち、自宅へと戻って行った。
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