第0.5章『パパ』(1500hit/ヒューズ夢)


舞台はまた、東方司令部の執務室・・・そこに居るのはお馴染み、マスタング兄妹とエド。
執務室の扉がノックも無しに開かれた。


「よ!ロイ。仕事してるか?」


そこに現れた一人の男性・・・マース・ヒューズ中佐。


「ヒューズ・・・・」


またか、と顔に書いてあるようなロイの表情。


「あ、パパ。」


の発言にエドが固まった。


「PAPA!!」


何故かローマ字。しかも大文字で驚くエド。


「よ、。元気にしてたか?」


「うん。パパも元気だった?」


キャキャっと騒ぐとヒューズ。呆れ顔のロイと驚いているエド。


・・・パパって・・・?」


「あ、エドには話してなかったね。」


「こいつは俺の娘だ。」


エドが化石化した。


「ちょっと、何言ってんの!!パパって呼べって言ったの中佐でしょう!!」


話に付いて行けないエド。


「んじゃ、ロイ。お前の可愛い妹借りてくな。」


「え?何処か行くの?」


「可愛い娘の為に買い物だ。何でも欲しいもの買ってやるぞvV」


まるで人攫いのようにを引き摺って執務室を出て行くヒューズ。


「大佐・・・パパって・・・?」


化石化から復活したエドがロイに説明を求めた。


が親父の人体錬成に失敗した事は知っているな。」


「あぁ。」


溜め息混じりにロイは語った。


「彼奴の機械鎧の整備士を紹介したのがヒューズだ。『俺を本当の父親と思っていいぞ』とか言って、パパと呼ばせるようになった。」


「それだけ?」


「まぁ、彼奴のパパは尊敬に値する人って意味もあるがな。」


「へ〜〜〜・・・」


何となく意味が解かったエドだった。




一方、とヒューズは・・・


にはこれが似合うと思うんだが・・・」


服屋に来ていた二人は、洋服を選んでいた。そして、ヒューズの手に取った服は、フリルのレース付きのワンピース。


「パパ・・・これはちょっと・・・」


「んじゃ、これは!!」


「却下!!!」


この人にはセンスと言うものが無いのだろうか・・・と心の中で呟くだった。




一通り買い物を終え、二人は喫茶店に来ていた。


「そうか・・・エドと旅をねぇ・・・」


「暫くは此処に滞在する予定なんだ。お兄ちゃんの紹介で『綴命の錬金術師』に会いに行くんだって。」


「早く、元の身体に戻れればいいな。」


「うん。」


満面の笑みでは頷いた。


「おっと、汽車に遅れちまう。」


「え?もう帰るの?」


椅子から立ち上がり、そそくさと荷物を持つヒューズ。


「ちょっと、こっちに用があってついでに寄っただけだからな。また会えるって。」


「うん。パパ、身体に気を付けてね。」


「お前も、怪我すんなよ?」


の頭を撫でた後、ヒューズは汽車に乗ってセントラルへと帰っていった。


「さてと・・・俺も帰ろうかな・・・」


はヒューズに買って貰った荷物を両手に持ち、自宅へと戻って行った。




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