スカーを取り逃がし、後始末に追われる軍部。


・・・大丈夫か?」


「大丈夫に見える?この状態が。」


はロイを睨みつけるように見上げた。


「助けに来るのが遅れた・・・悪かった。」


「別に気にしないけど・・・」


「鋼の達も一段落ついたみたいだな。」


ロイは視線をエド達に向けた。


「まぁ・・・司令部に戻らなきゃいけないし・・・運んで。無能兄貴。」


「それが人に物を頼む言葉か?」


そう言いながらも、を担ぎあげた。


・・・少し太ったか?」


右手の拳で思いっきりロイの頭を殴った。


「俺、これでも女なんだぞ!!少しは気を使え!!」


「悪かった・・・ι」


そのまま司令部に連行された


第五章『それぞれの道へ』


ロイの話が一通り終わり、エルリック兄弟の行き先も決まった。


。」


「中佐・・・」


今だ司令室でボンヤリとしていたにヒューズが話し掛けた。


「お前はこれからどうするんだ?」


「中央に行って機会鎧を直したいんだけど・・・中佐に迷惑掛けられないし。」


「エドの所の整備師に直して貰えばいいんじゃねぇか?」


ヒューズの発言に暫しは考えた。


「でも・・・・」


「よし。お前は明日、エルリック兄弟と一緒に行動しろ。」


「は?」


そう言うとヒューズはを担ぎ上げた。


「ちょっと、中佐!!」


「今は一応プライベートだ。パパでいいぞ。」


「そうじゃなくて!!何処に行くつもりなんだよ!!」


「そりゃぁ、勿論・・・」


一旦そこで言葉を切り、次の瞬間には満面の笑みになった。


「エドの所。」


「ざけんなよ!!今は嫌だ!!絶対嫌だ!!!」


ジタバタと抵抗を試みるだが、途中で疲れ終了。


「さ、行くぞ〜〜〜」


「・・・嫌だ・・・」


なおも言葉だけで抵抗する


「何で嫌なんだよ。これから先もエド達と旅を続けていくんだろう?」


「だけど・・・エドの故郷には行きたくない・・・」


ヒューズの肩で項垂れるように頭を抱えた。


「解かったよ・・・明日、エド達を見送ったら中央に戻る。良いな。」


「ん・・・」


の意地に負けたヒューズはと一緒にセントラルに戻ることにした。




次の日、ヒューズと共にエルリック兄弟の見送りに来た。彼女は歩けない為、車椅子に乗っていた。


・・・本当に俺等と一緒じゃなくて良いのか?」


「大丈夫。パパと一緒だから。」


「そっか・・・」


少し落ち込んだように見えるエドの表情。そんな彼には微笑んだ。


「俺の整備が終ったら真っ先にエドに連絡入れるから。」


「あぁ。っと・・・これが俺の所の整備士の電話番号な。」


そう言うと、一枚の紙切れをに渡した。発車のベルが鳴り響いた。


「エド・・・気を付けてな。」


も。」


段々と遠ざかる電車をはずっと見つめていた。


「さ、。俺たちも良くぞ。」


「あぁ。」


ヒューズが車椅子を押し、セントラルに向う為の列車に乗り込んだ。
はエドから貰った紙切れを開いた。


「ロックベル・・・か。」


「どうした??」


「別に・・・」


紙の下の方に目線を落とした。そこに書かれていたもう一つの言葉。


「〜〜〜〜///」


一気にの顔が真っ赤になった。


「お、何か書いてあったのか?」


「別に何でも良いだろう!!!」


そう言うとは紙切れを錬金術研究帳に挟んだ。


「あの馬鹿・・・///」


そう言うの顔は柔らかく笑っていた。それを見たヒューズも安心したように窓の外を見つめていた。




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