セントラルについたマスタング兄弟。そのまま直行でヒューズの家へ向った。
「・・・来ちゃったよ・・・しかも軍服で・・・」
「どうした?。入るぞ。」
門の前に佇むを余所に、ロイは先に家の中へと入っていった。
「ちゃん、こんにちは。」
「こんにちは・・・師匠はまだ居るんですか?」
「居てはいけないのか?。」
グレイシアの後ろから姿を現したのはイズミだった。
「いえ!!滅相もございません!!」
イズミを見るなり、土下座をする。
「、何をしている。早く入りなさい。」
「はい・・・」
ロイに言われ、やっと家の中に入る。
「あれ?パパは?」
部屋を見渡したが、ヒューズの姿が見えず、グレイシアに聞いた。
「仕事ですよ。」
「そっか・・・後で寄ってみよう。」
そう言うとソファーに腰を掛けた。
「どうも、始めまして。兄のロイ・マスタングです。」
「イズミだ。こちらこそよろしく。」
互いに握手を交わす二人。
「から話は聞いております。妹がお世話になって・・・」
「いえ。こちらこそ不肖の弟子が何時も世話になって・・・」
なんだか長話が始まりそうなので、は隙を見つけて家の外に出ようとした。
「・・・」
出て行こうとしたとき、イズミに止められた。
「何でしょうか?師匠?」
「何処へ行くつもりだ?」
「いえ・・・ちょっと散歩に・・・」
「逃げんなw組み手するぞw」
笑顔で言われ、逃げられなくなった。
「・・・はい」
そう返事するのがやっとだった。
「お兄さんもやりますか?組み手。」
「では、お手合わせお願いします。」
そんなこんなで始まったイズミとの組み手。結果はマスタング兄弟の敗北。
「こんなんが大佐なのか?」
イズミにズタボロに去れたロイ。
「兄貴・・・大丈夫?」
「これくらい・・・平気だ・・・」
そう言いながらロイは少しふらつきながら立ち上がった。
「本当にお強いですね。是非軍に入れたいくらいですよ。」
「軍に入るつもりはない。」
イズミとロイの後ろに黒い渦を見たはそこから立ち去ろうとした。
「♪中央へ顔を出しなさい♪」
笑顔で言うロイ。その顔には恐怖を覚えた。
「は、はい!!!」
何時もの癖か、はロイに敬礼をし、その場を去った。
「では、イズミさん。もう一度手合わせお願いできませんか?」
「勿論、良いですよ?」
そんなこんなで恐怖の組み手がまた始まった。
一方軍へ足を運んだは何故か大総統にあっていた。
「えっと・・・閣下・・・私に何か御用で・・・?」
額に汗をかきながらは言った。
「18で中佐の地位になった君と話をしたくてね。」
「そんな・・・私なんてまだまだですよ・・・」
照れながら言うに満面の微笑で大総統は紅茶を差し出した。
「さ、飲みなさい。君の好きなレモンティーだぞ?」
「何故、私の好きな物が・・・?」
「ヒューズ中佐から聞いた。君の事に一番詳しいのは彼だからね。」
「はぁ・・・」
取り敢えずは差し出された紅茶を飲む事にした。
「美味しい・・・」
「それは良かった。」
「何処で買われたのですか?この紅茶。」
「中央で有名な喫茶店だ。君も行ってみるか?」
「はい、是非に。」
そこから数分、世間話をしたと大総統。
「と・・・忘れておった・・・」
「?何をですか?」
「これじゃ。」
目の前に出されたのは星の形をした物。
「私が直々に付けてあげようと思ってね。」
「これは、階級の・・・?」
「普通は君の上司であるマスタング君がつけるのだが・・・私がつけるのでは嫌かね?」
「いえ、滅相もございません。寧ろ勿体無いくらいで・・・」
ありがとうございます、とは大総統に向かい敬礼をした。
「君もこの国の為に頑張ってくれ。」
「勿論でございます。その為に私は軍を志願いたしましたから。」
微笑む大総統は不意に掛け時計を見た。
「もうこんな時間になってしまった・・・悪いがこの後軍会議が入っていてね・・・」
「いえ、お忙しい中私の為に本当にありがとうございます。」
は立ち上がり、深々とお辞儀をした。
「君、くれぐれも無茶をしないように。わかったね。」
そう言いながら大総統はの頭を撫でた。
「はい。では、私はこれで失礼します。」
「また機会があったら紅茶でも飲みに行こう。」
「その時はまたお誘いください。」
満面の笑みで言葉を返し、は部屋を出て行った。そして部屋から離れた壁際に寄りかかった。
「き・・・緊張したぁ〜〜〜・・・ι」
ずるずると座り込むようにしゃがむ。
「あ・・・あの大総統閣下からお誘いを受けるなんて・・・」
今頃緊張の震えが全身に来た。
「どうしたんだ?マスタング中佐♪」
「のわ!!!」
後ろから声を掛けられ、ビックリする。
「ひゅ・・・ヒューズ中佐!!驚かさないで下さい!!」
「そこまで驚くとは思わなくてな・・・んで、どうだった?大総統とのお話は♪」
「楽しんでませんか・・・?」
少し睨むようにヒューズを見る。
「ま、そう怒るなって。それに、階級は一緒になった事だし、敬語もやめねぇか?」
「無理言わないで下さい・・・私から敬語を取ったらどうなるか貴方もお分かりでしょう?」
溜め息を吐くを楽しそうに見つめるヒューズ。
「別に良いだろう?たかが『仕事中の口調がロイに似てる』なんて。今更な話だぞ?」
「そりゃそうですけど・・・ι」
冷や汗をかくに対し、始終楽しいそうに笑うヒューズ。
「・・・中佐がそう言うのであれば・・・」
「そうそう。別に良いだろ?気にすんなって。」
そう言いながらの肩に腕を回した。
「ちゅ・・・中佐?」
「さ、今から軍法会議所に行くか?」
「何で?」
「仕事が溜まってるんだ。手伝え♪」
「私に拒否権はあるのか?」
「ない。」
きっぱり言い切ったヒューズに溜め息を吐く。
「早く終らせよう・・・マスタング大佐が待っているからな・・・」
「元気つけるためにこれを見せてやろうか?」
そう言ってポケットから写真を取り出した。
「そ・・・それは・・・」
「エリシアちゃんの最新写真vVどうだ?元気でたか?」
は写真を手に取り、わなわなと震えだした。
「え・・・エリシア〜〜〜vV昨日会ったばっかりなのに、すっげー可愛いvVも〜めちゃラヴvV」
周りにハートを飛ばしながらは写真を抱き締めた。
「だろだろ?さ、エリシアちゃんに会いたかったらさっさと仕事終わらせるぞ。」
「もち!!!」
何時の間にか口調はプライベートの物へと変貌。
数時間後、二人は山のような仕事を終え、帰宅した。
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