の後ろについて、エドは彼女の家へ向った。
「此処だよ。」
自分の家と同じくらいの大きさにエドは驚いた。
「そんな所に突っ立てないで、中に入りますよ?」
「あ・・・あぁ。」
家のドアを開け、中に入る二人。
「ただいま〜〜〜。」
「お帰りティア。早かったじゃねぇか。」
玄関に入り、迎えてくれたのはエプロン姿のグリード。
「っと・・・連れか?・・・エド・・・か。」
「え?何で俺の名前・・・?」
「気にすんな。んで、何でこいつが一緒なんだ?」
「へまったι」
渇いた笑いをしながらは言った。
「へまって・・・何やったんだよι取り合えず上がれ。」
「お邪魔します・・・」
リビングへ通されたエド。
「んで、何やったんだ?ティア。」
「いや〜〜・・・指切っちゃってね、すぐ治ったんだけどさぁ・・・」
「何となく予想ついた。」
左手で頭を抑えるグリード。
「・・・ウロボロスの刺青・・・」
「何だ。そこまで知ってるのか。」
「の左肩にもあった。・・・お前等何者なんだ?」
真剣な眼差しで二人を見据えるエド。
「・・・ティア、全て話しても良いんじゃないか?」
「だから家に呼んだの・・・私の事思い出すまで待とうと思ったんだけど・・・」
溜め息混じりに言葉を発する。
「質問されて話すと順序が狂うから、私が全部話す。質問はその後ね。」
「解かった。」
は一呼吸置いて話し始めた。
「エド先輩も解かってると思うけど、私とグリ兄・・・グリードはホムンクルスなんだ。
強欲のグリードと悲哀のティア。でも、私は昔は人間だった。
と言うよりも、人間だった頃の私のDNAによって私が作り出されたんだ。
その人間は・。歴史書で書いてあった中将の事よ。
まだ人間だった頃、私には愛した人が居た。それがエドワード・エルリック。言わば貴方の前世の人。
その人はホムンクルスになった私を受け入れてくれた。傍に居てくれると言ってくれた。
でも・・・彼は武装集団によって殺された。
私はその時彼と約束をしたの。『必ず貴方を見つける』って。『生まれ変わった貴方を見つける』と。
何処に居るかも解からない・・・前世と同じ姿をしている保証なんてないし、名前だって同じとは限らない。
でも、私は探し続けた。そして、見つけたのがエド先輩だって事。」
一通り話し、はため息をついた。
「何か質問はある?」
「・・・じゃぁ、あの夢は・・・」
「夢?」
「この前、夢を見たんだ。中将と一緒に居た夢。その後にお前とも一緒に居た。
でも、俺訳わかんねぇ・・・記憶なんてこれっぽっちも無いのに、お前の事昔から知ってるような・・・
そんな感じがするんだ。」
エドが帰り、は自室の窓から外を眺めていた。
「・・・ティア。」
「グリ兄・・・何か用?」
視線を窓の外からグリードに移した。
「後悔してるんじゃないかってな。」
「してるよ・・・私が教えていい記憶じゃないんだから・・・」
そう言うとは再び窓の外を見つめた。
「もう・・・無理かな・・・私の事思い出してくれるのは・・・」
「ティア・・・」
「ごめん・・・グリ兄・・・暫く一人にして・・・」
の切なげな声に負け、グリードは彼女の部屋を後にした。
「これから・・・どうすればいいのかな・・・?」
その問い掛けは誰の耳にも届かなかった。
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