俺等は部屋に入った。
シングルのベットが二つと、風呂・シャワーつき。
俺は荷物を置くと、備え付けられてる椅子に腰をかけ、煙草を咥えた。
そんな俺の行動を見ると、も鞄から煙草を取り出した。・・・って
「お前、未成年だろ?」
「煙草なんて誰だって吸うもんやろ?」
・・・の一言には確かに一理あった。(ぇ
俺だって小せぇ時から吸ってるし。
「で、俺に聞きたい事って何だ?」
解かってって、敢えて言う。
こいつの口から聞かなきゃ無意味だからな。
「・・・あんさんは何故に深紅の髪と瞳を持っているんや?」
やっぱりな。
俺は心の中で苦笑した。
「さっき八戒から聞いただろう?
此処は妖怪と人間が居るって。」
「あぁ。」
「俺はな・・・妖怪と人間の間に生まれたハーフ・・・
言わば禁忌の子だ。」
の顔が僅かに引きつった。
「この紅い髪と瞳がその証拠だ。」
俺は真剣な眼つきでを見た。
ハーフだなんて、女には言わねぇしな。
「悟浄の事は・・・よぉ解かったわ・・・
でも・・・俺は・・・?」
そう言っては顔を俯けた。
「俺の居た世界には妖怪は居ない・・・
じゃぁ・・・俺は・・・?」
今にも泣きそうなの声色。
泣かれるのが嫌で、俺はの頭を撫でた。
「観世の姉ちゃんが言ってただろう?
『此処に居れば解かる』って。
そんなに焦って探す事もねぇんじゃねぇのか?」
俺の言葉に、は少しだけ笑顔になった。
「だな・・・いずれは・・・解かるかも知れへんしな・・・」
その時が、直ぐなのか、それともずっと後なのか・・・
それは誰にも解からない。
「あ、そういや。」
「何や?」
「お前・・・標準語って喋れない訳?
俺までその喋り方になりそう・・・ι」
急に話題転換した為か、は笑い出した。
「あぁ、これな。
まぁ、意識すれば治るんやけど・・・
標準語の方がえぇ?」
「出来れば・・・な。」
「努力します。」
そう言ったの顔が可愛く見え、俺は柄にもなくときめいた。
「あ、悟浄。明日暇?」
取り敢えずは標準語を意識しているのだろうか、普通の言葉では言ってきた。
「あぁ。ま、する事ねぇし・・・」
「んじゃ、俺に付き合ってくれないか?」
「何で?」
「服買いたいけどさぁ・・・一人じゃどんな服選ぶか・・・」
そう言う事か・・・
「付き合ってやるよ。
その代わり、お駄賃よこせvV」
「無茶言わんといて・・・ι」
あ、言葉が戻った。
「冗談。
明日行くならさっさと寝とけ。
朝飯食ったら行くからな。」
「解かった。」
そう言って、はベットの中に入った。
「んじゃ、おやすみ。悟浄。」
「ん。おやすみ。」
数分も経たない内には寝息を立てた。
「寝るの早ぇな・・・」
自分のベッドに腰を掛けながらの寝顔を眺めた。
突然降って来た少女。
どう見ても男にしか見えない外見。
さっき、一瞬でも可愛いと思ったのは何故なんだ?
こいつが、俺と似ているからか?
どういう人生を送ってきたかしらねぇけど、
まともな人生じゃない。
三蔵を睨みつけた鋭く、冷たい瞳。
一瞬で妖怪を切る腕。
一体・・・こいつは何者なんだ・・・
ただの人間じゃない・・・
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