『お師匠様。また拾って来たんですか・・・・』
俺は、お師匠様の拾い癖に少し溜め息をついた。
『呼ばれた気がしたんで・・・拾って来ちゃいました。』
さらに溜め息。俺は頭に手を置いた。
『此処は寺院ですよ。女体禁制の。そいつは女ですよ?』
『わかってますよ。もちろん。ばれなきゃ良い事じゃないですか?』
さらりと言いのけるお師匠様に俺は何も言えなかった。
数日後、女は目を覚ました。
『おや、目が覚めましたか?』
『此処は?』
『寺院ですよ。貴女のお名前は?』
名前を聞かれた女は下を向いて唸った。
『分からない・・・て言うか、名前無い。』
『名無しさんですか・・・どうしましょうか・・・・』
そう言うと、お師匠様は俺の方を向いた。
『江流。何か言い名前はありますか?』
『俺に聞かれても困ります。』
俺の答えにお師匠様は苦笑した。
『名前が無いのは困りましたね・・・何か言い名前は・・・』
お師匠様が少し考えていた。そこで何か言い名前を思いついたらし。
『・・・て言うのはどうでしょう?』
『?』
『えぇ。嫌ですか?』
お師匠様がそう言うと、女は首を横に振った。
『では、今日から貴女はです。宜しくお願いしますね。』
『うん!』
そう言うと、と名付けられた女は笑顔で返事をした。
これが俺との出会いだった。
一ヵ月後。天界から来た何者かがを連れて行った。
そして現在。俺はこの女と旅に出る事になった。
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