「やはり、その羽根もあったか・・・・」
「まぁね・・・これはどうし様も無いよ・・・」
第四章『過去の物語』
そう、この羽根だけはどうし様も無い・・・私が江流・・・もとい、三蔵と出会う前にある事が起きたから・・・・
私は当時4歳・・・物心付いた時から一人で居た。後から観世音菩薩に聞いた話によると、私は神と妖怪の間に生まれた子供らしい・・・
下界に居た私は、途方にくれていた。とある川原で妖怪に襲われた。幼い私にはなす術も無く、此処で死ぬんだと思って目を閉じた。そんな私を拾ってくれたのが光明様だった。何処の馬の骨かわからない私に、優しくしてくれた。光明様の隣りが一番温かかった。もちろん江流の隣りも。
天界での生活は嫌気が差した。奴等は私の事『下賎の輩』と言って罵った。唯一まともに話が出来たのは観世音菩薩だけだった。
観世音が言ってた昔の話。此処で初めて自分の過去を・・・前世を思い出した。
金蝉、捲簾、天蓬、悟空・・・・四人と過ごしたあの日々を・・・楽しかったあの日々を・・・そして知った。今下界で旅をしている四人が生まれ変わりという事を・・・・
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