時は五百前・・・


第五章『女闘神太子』


「観世音菩薩、新たな闘神太子決定いたしました。」


「ほ〜う・・・で、何処のどいつだ?」


観世音菩薩の部屋で、次郎神と闘神太子の会話をしている。


「それが・・・女なんですよ・・・」


「女?」


「はい。銀色の長髪、右眼が紅、左眼が・・・金晴眼の・・・」


金晴眼・・・それは吉凶を予言する瞳。


「今、討伐から戻ってくる予定です。」


――ドンドンドン!!


部屋のドアが乱暴に叩かれた。


「失礼する。観世音菩薩の部屋は此処か?」


銀の長い髪を揺らしながら一人の女性が入ってきた。


「闘神・・・太子!!」


「へ〜〜・・・こいつが・・・」


「んで、俺は観世音菩薩の所へ行けって言われて来たんだけど?用件ならさっさと言ってくれる?」


は退屈そうにそう言った。
観世音の顔はまるで面白いものを見つけたような笑顔をしていた。


「あぁ、ちょっと付いて来な。」


「ん。」


不満に思いながらもはついていった。




着いた先は大広間。そこには金髪の男性と、茶髪の少年が居た。その少年の目を見たは驚いた。


「金・・・晴眼・・・!」


「手前ぇも一緒だろう?。んで、お前への用件は・・・」


そう言いながら観世音は少年の前に歩いていった。


「この少年を金蝉と一緒に預かっておけ。」


「は?」


「な!!」


金蝉と呼ばれた男性の首筋に青筋が立った。


「何言ってんだ!!クソババァ!!」


「良いじゃねぇか。子育てには女の手も必要だろ?」


「面白がってるな。」


が言った通り、観世音の顔は笑顔だった。



Next