――夢を見た。
光明様と話した時の・・・――


第十三章『Freedom』


が金山寺に来てから一週間の時が流れた。


。どうしたんですか?空を見上げて。」


「光明様・・・鳥は自由に空を飛ぶ事が出来て良いなぁって思ってたんです。」


大空を舞う、鳥の群れを見上げながらは言った。


「そうでしょうか?」


「え・・・?」


光明はの横に立ち、同じように空を見上げた。


「確かに、鳥は自由に飛ぶ事が出来ます。
ですが、休める枝が無ければ、鳥は翼を持った事を悔やみます。
だって、自由に飛べる翼があるでしょう?」


「ですが、私には自由に飛べる空が無い。」


「それは考え次第でどうにでもなりますよ。
貴女は『自由』と言う鎖に囚われてる。
自分で、自分の事を『自由』じゃないと思っているだけです。
貴女はあの鳥たちと一緒です。」


「一緒?」


「えぇ。
貴女は休める場所も還る場所も無い。
だから翼を持った事を悔やんでいる。
違いますか?」


「・・・」


は無言のまま光明の話に耳を傾けた。


「でも、今の貴女は還る場所も休める場所もある。
今の貴女なら自由にこの大空を飛べますよ。
何にも囚われていないんですから。」


微笑の方を向く光明。


「そうですね。」


そう言うと、自分の翼を大きく広げた。


「光明様、一緒に空の散歩でもしませんか?
どうせ、説法サボって来たのでしょう?」


「バレテしまいましたか・・・」


「バレバレですよ。
どうしますか?一緒に行きますか?」


そう言っては光明に手を伸ばした。


「誰にも見つからない場所でのんびりしますか。」


「そうですね。」


差し伸べたの手を取って微笑む光明。


「光明様、しっかり捕まっててくださいね。」


「はい。」


暫くの間、二人は空の散歩を楽しんだ。



――光明様はこんな私を受け入れてくれた。
こんな私を、見てくれた。
ありがとう。心のそこからそう思っています。――



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