「ごめんな、桜乃ちゃん。マネージャーでもねぇのに手伝わせて・・・」
「気にしないでください。暇で付いてきたんで。」
桜乃とそんな話をしながら黙々と仕事をこなす二人。
「っと・・・今日の晩飯はどうすっかなぁ・・・
桜乃ちゃん、何か食べたいものある?」
「私ですか・・・?
ん〜〜〜・・・」
首を捻って悩む桜乃。
その姿が可愛らしく、は笑を漏らした。
「桜乃ちゃんって可愛いよねぇ・・・」
「そんな事無いです!!」
頬を赤く染めながら桜乃は力一杯否定した。
「俺も桜乃ちゃんみたいに可愛かったらなぁ・・・
ほら、俺女っ気ないじゃん。」
の言葉に何を言って良いのか解からなくなる桜乃。
「でも・・・先輩ってスタイルいいじゃないですか。」
「そうかな・・・?
胸は小さいぞ。」
そう言って自分の胸元を掴む。
「って・・・話脱線してんな・・・ι」
晩御飯の話をしていたのが、何時の間にか違う話になっているのを思い出した。
「さてと・・・本当に晩飯どうしようか・・・」
適当に作るか・・・そんな事を言いながら食堂に向う二人。
「さて・・・やるかぁ!!」
気合十分。腕まくりをして、料理に取り掛かった。
「此処は無難にカレーで。」
「合宿って言ったらカレーですからね。」
は人参の皮を剥きながら一週間の献立を頭の中で考えていた。
午後の練習も終わり、レギュラーが続々と食堂に入ってきた。
「疲れたぁ・・・」
「今日の晩御飯は何ですか?先輩。」
カウンターに並びながら此処にに話し掛けるレギュラー。
「今日の飯はカレーだ。」
「カレーっすか・・・ι」
「何?嫌なのか?桃。」
ニッコリ笑顔で言われ、それ以上何もいえなくなった桃城。
「い・・・いえ!!嬉しいっすよ!!カレー!!」
怖くなったのか、桃城は冷や汗をかきながら言った。
「の飯が食べれるだけ良いじゃないっすか?桃先輩。」
後ろから黒い笑を浮べたリョーマが登場。
「でも・・・先輩って料理上手いのか?
どう見ても、上手そうには・・・」
「見た目で判断しない方がいいっすよ。」
自分の分の料理を持つとさっさと席に座るリョーマ。
「いただきます。」
個々にそう言うと、皆一斉に食事に手をつけた。
「美味い・・・」
「って料理上手なんだね。」
「俺・・・やっぱり和食がいい・・・」
「リョーマ、文句言うなら食うな。」
キッチンの中からお玉を持ったが言った。
「お代りあるから、欲しい奴は言えよ〜〜〜。」
の発した言葉と同時に、レギュラーは一気に皿を殻にした。
数十分後・・・
「アレだけ作ったのにもう空だよ・・・」
レギュラーの食いっぷりに少々唖然とする。
「明日からの献立・・・ちゃんと考えないと・・・」
そう思いながらは食器を洗った。
「っと・・・桜乃ちゃんはもう休んでいいぞ。」
「でも・・・」
「明日も早いし。
今日は疲れただろ?」
「じゃぁ・・・これが終ってから。」
そう言って、桜乃は洗った食器を片し始めた。
「終了っと。」
食器を洗い終わり、は一息ついた。
「・・・風呂でも入るか。」
そう言うと、は部屋に戻り、タオルと変えの洋服を持ち、大浴場に向った。
「うわ・・・広!!」
誰も入っていない浴室は広く、は声を上げた。
「いいねぇ・・・広い風呂って・・・」
親父臭い事を言いながら湯船に身を付けた。
「さてっと・・・明日の朝飯は・・・」
そんな事を考え始めた時、浴室のドアが開いた。
「桜乃ちゃんかな?」
姿を確認する為、は湯船から身を上げ、ドアの方に向かった。
湯気が立ち込めよくは見えないが、ドアの方からは人がこっちに向っているのが解かった。
「桜乃ちゃ〜〜ん?」
段々と人影が近付き、見えたのは。
「・・・」
桜乃ではなく、海堂だった。
「のわ!!」
海堂の姿に驚き、は急いで湯船に身を潜めた。
「す・・・すみません・・・
まさか先輩が入っているなんて・・・」
海堂もから目線を逸らすように背を向けた。
「海堂も・・・何でこんな時間に・・・?」
「自主トレです・・・」
自主トレでかいた汗を流そうと、海堂は大浴場に来たのだった。
「・・・俺、出ます・・・」
「いや・・・俺が出るから・・・
海堂はゆっくり入りなよ・・・」
は手に持っていたタオルを身体に巻くと、湯船から上がった。
「海堂・・・少しでいいから壁際向いててくれるか?」
「あ・・・はい。」
海堂は言われた通り、壁際の方を向いた。
は海堂が向くのを確認すると、そのまま浴室に向かい、ドアを閉めた。
「海堂〜〜!!ゆっくり入れよ?」
ドア越しには叫んだ。
「はい・・・」
海堂は、自身の疲れを取るようにゆっくりと湯船に入った。
「・・・まさか海堂が入ってくるとはなぁ・・・」
あまり温まっていない身体を拭きながら、は呟いた。
そしてまた、ドアが開く。
「マムシ〜〜。風呂に居るのかぁ?」
入ってきた桃城は、の裸姿を見た瞬間絶句。
「・・・・のわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
、悲鳴。
そして、近くにあったものを投げつける。
「だぁぁ!!ごめんなさい!!先輩!!」
「ごめんで済むなら暴力はいらねぇぇぇぇ!!!」
「待ってください!!ガハァ!!」
の投げていた籠が当り、桃城ノックアウト。
「!!何かあったのか!?」
「!!どうした!!」
続々と入ってくるレギュラー陣。
「手前ぇら出てけぇぇぇぇ!!!!!」
タオルを巻いただけの姿の。
叫びながら近くにある物を投げ出した。
「お・・・落ち着いて!!」
「当たるって!!」
「うにゃ〜〜〜!!!」
数分後には浴室から全力で逃げ出すレギュラー陣。
「・・・・・・」
一番得し、一番無事だった海堂は、どのタイミングで出て行けば良いのか迷い、湯船の中に居た。
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